「白線流し」モデル・斐太が4強入り
「高校野球・岐阜大会準々決勝、斐太3-2市岐阜商」(22日、長良川)
強豪の一角を崩した。学校創立129年の伝統を誇り、飛騨地区では有数の進学校の斐太(ひだ)が市岐阜商を撃破し、26年ぶりに準決勝に進出。甲子園まであと2勝とした。槇本寛監督(53)は「少々ミスもあったが、うちらしく試合を味わって戦えた」と、ナインをねぎらった。
96年に放送された人気テレビドラマ「白線流し」のモデルともなった高校で、岐阜県高山市に校舎を構える。豪雪地帯で、冬場は雪が腰のあたりまで積もることもある。そんな環境での日々が夏の決戦で生きた。
雨が断続的に降り続き、グラウンドがぬかるむ悪条件。2安打2打点の7番・根尾は「悪条件の中でずっと演習してきたので、これぐらいの雨は全く気にならなかった」と振り返った。
土台となったのは冬場の鍛錬だ。昨年12月から監督の発案で、膝上まで雪が積もったグラウンドでの「雪上ノック」や、長靴を履いての80メートルダッシュなど、豪雪地帯ならではの練習を積極的に取り入れた。
夏の岐阜大会では4強が最高成績。129年の歴史に新たなページを刻むべく、甲子園まで白線のように白星をつないでいく。
◆白線流し(はくせんながし)戦前から斐太高の卒業式で行われている行事。友情のあかしに男子の制帽の白線と女子のセーラー服のスカーフを結び合わせ、川に流す。この伝統行事をモチーフに96年1月、テレビドラマ化された。長瀬智也、酒井美紀、京野ことみ、柏原崇らが出演し、卒業を間近に控えた高校生たちの友情、恋愛などの青春模様を描き、人気を博した。