県岐阜商・高橋5失点完敗…夏こそ勝つ

 「選抜高校野球・準々決勝、浦和学院5-0県岐阜商」(29日、甲子園)

 準々決勝4試合が行われ、今大会屈指の好投手、県岐阜商・高橋純平投手(3年)は8回11安打5失点と打ち込まれ、2年ぶりの優勝を目指す浦和学院(埼玉)に敗れた。連投で疲労の色が濃く、公式戦では最多失点となったが、爽やかな笑みを浮かべ聖地を後にした。夏春連覇を目指す大阪桐蔭が常総学院(茨城)を逆転で下し、敦賀気比(福井)がサヨナラで静岡を退け2季連続の4強進出。東海大四(北海道)は初の、北海道勢で22年ぶりのベスト4入りを決めた。

 やり残したことはなかった。試合後、「楽しみ尽くしました」と爽やかな笑みを浮かべた県岐阜商・高橋。“甲子園基準”を存分に味わった。現時点で力不足なのは、8回11安打5失点の数字が如実に示していた。

 連投の疲労を隠せなかった。スライダーの曲がりが小さく、腕が振れていなかった。序盤は持ち味の投球術でかわしたが、七回につかまった。3連打を浴びて均衡を破られると、浦和学院の猛攻を止められなかった。

 一挙3点を奪われ、八回にも2失点。公式戦ワーストとなる5失点に「気持ちよく打たれた。こんなに打たれたのもちょっと記憶にないです」。それでも高橋の表情からは笑みが絶えなかった。「まだまだ甲子園では通用しない。2倍も3倍も練習しないといけない。全国レベルを知れてよかった」と成長するための“基準”を見つけたからだ。

 これまで届かなかった全国の舞台。小川監督は「楽に行けると思っていた甲子園に行けなかったことで、努力することを覚えた」と言う。新チーム発足後から太田コーチとフォームをつくり直した。冬場も前年の3倍以上、走り込んだ。

 それでも全国トップレベルに跳ね返された事実-。甲子園の土は持たず「夏は勝ちにこだわって全国制覇を目指す」と右腕は力を込める。やるべきことは固まった。頂点に立つための“課題”を手土産に、エースは笑って甲子園に別れを告げた。

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