東海大甲府・渡辺“二刀流”で大活躍

 「高校野球山梨大会・3回戦、東海大甲府7-6甲府商」(20日、小瀬)

 46大会で試合が行われ、山梨大会3回戦では東海大甲府・渡辺諒内野手(3年)が阪神、巨人など6球団のスカウトが視察する中、左翼へ大会初アーチを放ち、八回には投手として146キロをマークした。

 今秋のドラフト上位指名候補の渡辺が鮮烈二刀流デビューを飾った。打っては今夏、初本塁打。投げては八回から公式戦初登板。阪神、巨人、ヤクルト、広島、オリックス、ソフトバンクのスカウト陣が集結する中、投打で高校生離れした身体能力を見せつけた。

 まずは五回に打撃で魅せた。2点を先制した後の2死三塁。スライダーを鋭いスイングで振り抜くと、打球は左翼席へ飛び込んだ。高校通算38号本塁打。「ヒットでかえそうと思っていたのが本塁打になりました」と冷静に振り返った。

 八回にはリリーフで登場。140キロ台の速球を連発し、スタンドはどよめいた。九回は押し出し四球などで1点差までに迫られなおも無死満塁のピンチ。ここでスイッチが入った。遊ゴロ、三邪飛で2死までこぎ着けると、最後の打者にはこの日最速の146キロで追いみ最後も145キロで空振り三振を奪い、ガッツポーズを繰り返した。リリーフ強化もあり6月中旬から本格的に投球練習を開始したばかりの男が見事に最後を締めた。

 大型遊撃手として高く評価する虎のスカウト陣も改めて高評価を与えた。この日はスカウト4人で視察。平塚スカウトは「高校生の中では群を抜いてますね。三拍子そろい、プレーで魅了できる選手」とうなった。

 試合後、渡辺は「まずは野手として、打者として投手を助けたい」と冷静に話した超高校級が二刀流で夏を沸かせそうだ。

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