2軍降格の阪神・佐藤輝 早朝に名古屋発→8時半に鳴尾浜→志願特守289球 本人の希望内容で再出発
決意の再出発を切った。14日の中日戦(豊橋)で敗戦につながる痛恨の失策を犯した阪神・佐藤輝明内野手(25)が15日、出場選手登録を抹消され、2軍に合流した。この日のマツゲン箕島硬式野球部との交流試合(鳴尾浜)には出場せず、特守を敢行。ファンも見守る中、289球をさばき、汗を流した。
佐藤輝は痛恨の失策を犯した試合後、名古屋市の宿舎に帰ってから2軍降格を告げられた。そしてこの日の早朝に宿舎を出発。8時半には鳴尾浜に到着し、アップから全体練習に合流した。
「テーマも何もないので。しっかり練習して試合出て頑張るだけなので」
14日の中日戦、2-1の八回無死二塁。田中のバントは捕手前へ。坂本は素早く三塁へ送球し、タイミングは完全にアウトだった。しかし、佐藤輝はまさかの落球。無死一、三塁にピンチが広がり、村上が2本の適時打を浴びて逆転を許した。自身のプレーで足を引っ張りチームは敗戦。2軍降格には「僕は何も決められないので」と話すにとどめたが、早速自身の足元を見つめ直した。
キャッチボール、ノック、フリー打撃などの全体メニューをこなした後、この日の交流試合には出場せず、鳴尾浜球場の向かいにある鳴尾浜臨海野球場のグラウンドに向かった。本人の「基礎からやりたい」という希望もあり、午後から田中2軍内野守備走塁コーチによる三塁特守を敢行。「素手で捕る感覚」を養うため、通常の半分ほどのサイズのグラブを使い、正面と逆シングルで捕球を繰り返した。
「『基本、地味な作業が一番大事だから。きょうも地味な練習するけど、そこをしっかりできないと』という話は本人にはしました」と田中コーチ。佐藤輝は身ぶり手ぶりの指導を受けながら、最後は「10球ノーミス」指令を一発クリアした。約50分間、289球をさばき、エラーは15。最後は見守った約50人の観客から拍手が送られた。
和田2軍監督は「若い選手と一緒に汗かいて、ドロンコになってね。やるしかない」と奮起を促した。続けて「期限はついてないので。技術も含めて、いろんな面でもう一回自分を見つめ直して」と期待した。
17日からのウエスタン中日3連戦(ナゴヤ)、21日からのくふうハヤテ3連戦(静岡)にも帯同する予定。「(1軍の首脳陣からは)しっかり頑張ってこいと言われたので、頑張ります」と佐藤輝。初心に返って自身と向き合い、生まれ変わった姿で1軍の舞台に戻る。
◆佐藤輝の昨年2軍降格VTR 2023年は6月25日に出場選手登録抹消となり、新人だった21年9月以来の2軍調整。前日24日・DeNA戦(横浜)で欠場した試合後に降格が決まり、2軍遠征先の名古屋へ移動した。23年は登録抹消される同25日まで64試合で打率.229、9本塁打、38打点。6月月間は16試合で打率.179、1本塁打、8打点と苦しんでいた。ただ、7月5日に1軍復帰してから復調。8月は月間打率.300、3本塁打、16打点。9月も月間打率.344、7本塁打、23打点とリーグVに貢献した。