【野球】阪神が連覇へ好発進した要因 岡田監督「やっぱりリリーフ陣やで。そらそうやろ」開幕から1カ月、全員が防御率1点台以下 日陰のポジションでも

 連勝で貯金を「5」に増やし、3&4月の勝ち越しを決めている阪神。開幕からちょうど1カ月が経過し、球団史上初の連覇へ順調な滑り出しを見せたが、その強さを支えているのは驚異的なリリーフ陣だ。

 チーム防御率は2・14という好成績を残している中、各個人の防御率を見てみるとWストッパーの岩崎は驚異の0・00、ゲラは1・29。主にリードしている七回を任されるケースが多い桐敷は1・74、島本は1・04と安定した数字を残しているが、着目すべきはビハインドで登板するピッチャーの成績だ。

 オリックスから現役ドラフトで加入した漆原は6試合の登板で0・93、28日のヤクルト戦ではビハインドの六回から登板した加治屋が2イニングを無失点。逆転勝利へ流れを生みだし、防御率は1・29となった。他にも浜地が1・50、岡留は1・23。岡田監督は「敗戦処理」という言葉は使わず「ビハインドで投げるピッチャー」と形容する。負けている展開で点差を保つだけでなく、相手の攻撃をせき止めて自軍に流れを呼び込むのが役割だ。

 ヤクルト戦後、岡田監督は「やっぱりリリーフ陣やで。そらそうやろ。だから勝ってる。点数が僅差になるからな」とたたえた。例え先発投手が崩れたとしても、2番手以降のピッチャーが失点を重ねなければ反撃の道が開ける。岡田監督が試合の流れの中で重要視する「次の1点」。24日のDeNA戦では七回に伊藤将が3点を奪われ逆転されたが、指揮官は八回に桐敷を投入した。

 これも「まだわからん展開やからな」と次の1点を防げば、DeNAのリリーフ陣を考えれば逆転の糸口が見えるという判断から。左腕は見事に期待に応えて八回を無失点に抑えると、九回に打者一巡の猛攻で試合をひっくり返した。10戦連続2点以下と打線が低迷した際も4勝4敗2分けの五分で乗り切れたのも、投手陣が大量失点を防いで勝機を見いだしたからに他ならない。

 数字だけを見れば、他球団ならセットアッパーやクローザーに君臨していてもおかしくないメンツがズラリと並ぶ1軍ブルペン陣。一方でファームには岩貞、石井、湯浅など実績のある投手が再調整しており、本来の姿を取り戻せば今後、大きな力になることが予想される。

 これだけ豊富な戦力を抱えていてもバランス良く起用し、決して登板過多にならないよう指揮官の“配慮の運用”も見える。「負けている時のピッチャーが加治屋とか2イニング、ぴしゃっとおさえてくれるからな。そら攻撃に入りやすいよな。リズムというか流れがようなってくるよな」とビハインドで登板するピッチャーをたたえた岡田監督。先発や守護神と比べて日陰のポジションかもしれない。だが球団史上初の連覇へ、最も欠かせない役割を担っている。(デイリースポーツ・重松健三)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

インサイド最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス