大相撲の春巡業が２８日、埼玉県深谷市で最終日を迎えた。大関琴ノ若（佐渡ケ嶽）は大関豊昇龍（立浪）との三番稽古で１１番とって７勝４敗。力強いおっつけや右四つから圧力をかける相撲を見せた。

　大関同士の申し合いは土俵下で決めたという。内容については「まだ場所前じゃないから、ここから」としつつ、春巡業全体の稽古には「まあ、やれる範囲ではやってきたつもり」と自らに及第点。初場所後に大関に昇進し、巡業の稽古で土俵に上がるタイミングや相手を選ぶ裁量が広がっただけに「考えてできたかな。いろんな違うタイプの人とできた」と振り返った。

　夏場所（５月１２日初日、両国国技館）から、横綱だった祖父のしこ名である琴桜で土俵に上がる。３０日の番付発表をもって正式に改名するため、この日が琴ノ若としては最後の稽古であり、ファンの前に姿を見せる“最終日”。父から継承し、５年間ともに歩んだしこ名と別れに「この名前で上がって来たから、（寂しさが）ないとは言えない」と名残を惜しんだ。さらに「いつか『若』の字が復活します。いずれね」とニヤリ。将来的にしこ名の下の名前に『若』の文字を使用する構想もほのめかし、愛着をにじませた。