京都9000円お値打ちバスツアー~オヤジでも入りやすい!25年ぶり公開の町屋

 25年ぶりに公開された藤田家住宅
 
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 明治期に建てられた京都ならではの町屋や、名造園家・7代目小川治兵衛が手がけた庭園、さらには平安女学院大学にある有栖川宮家を巡るバスツアーに乗った。昼食は南禅寺参道に建つ料亭「八千代」で夏季限定のおぼろ豆腐がある京料理をいただき、和菓子の老舗・鶴屋吉信では京菓子と冷抹茶もいただいた。これで大人9000円。運賃、拝観・見学料、食事代込みとあればお値打ち価格かも!

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 京都の町屋は最近、よく話題になる。きれいなカフェになったりかわいらしい雑貨店に生まれ変わったり。にぎわうのはいいことながら、オヤジには入りにくい。しかし、このバスツアーで行ける町屋の「藤田家住宅」はオヤジでもまったく入りやすかった。

 明治期に建てられた東棟と昭和期に建てられてた西棟からなる。所有者が「金に糸目を付けず」作り、廊下は3階まで吹き抜けになっている。しかし、3階へ通じる階段は隠されていて一見したところ分からない。家に訪れた客に階段が見えないように工夫するのも当時の美意識の表れだという。

 2階に上がった。見回すと部屋の隅に古い古い扇風機があった。「Toshiba」と書いてある。昭和のいつ頃のものだろう。オークションに出したら高値で売れるかもとつい、金のことを考えてしまう。同住宅が公開されるのは25年ぶり。2012(平成24)年に国の有形登録文化財に指定された。

 「西陣」という地名の由来についてこのツアーに乗っかって初めて知った。付近は室町時代に起こった「応仁の乱」の際、西軍の山名宗全の屋敷があり、「西軍の陣」が縮まって「西陣」と呼ばれるようになった。藤田家住宅の数メートルそばには山名氏の屋敷あとを示す石碑があった。

 ◆有栖館には平安女学院制服の変遷も

 有栖(ありす)館は御所の建礼門院の前にあった旧有栖川宮邸が移築された。1625(寛永2)年に、後陽成天皇の第7皇子・好仁(よしひと)親王によって創設された宮家で、1923(大正12)年に慰子(やすこ)親王妃が亡くなって絶家となった。有栖川宮家は伏見宮、桂宮、閑院宮(かんいんのみや)とともに「四親王家」の1つだった。

 同大学では現在、授業のために使用している。部屋には平安女学院の制服の変遷が分かるように1920年代、30年代、77年代の3種類が展示されている。

 バスツアーの開催は30日まで。

 【参加方法】 予約・問い合わせは京都定期観光バス予約センター(電話075・672・2100 午前7時40分~午後8時)。紹介した藤田家住宅、平安女学院有栖館、鶴屋吉信は「京のお屋敷と名庭園めぐり」コースにあり、「並河家住宅 並河靖之七宝記念館」も含まれる。邸宅は国登録有形文化財。七代目・小川治兵衛が琵琶湖疏水を取り入れて作った庭と、国内に残る数少ない靖之の七宝作品も見学することができる。

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