阪神屈辱…勝利目前でまさかの“2ラン振り逃げ”許し鯉に逆転負け「話にならない」

 【2012年7月4日付デイリースポーツ紙面より】

 悲劇はまたも繰り返された。4番手で登板した榎田大樹投手(25)が2点リードの土壇場九回に3連打などで逆転を許した。救援陣が踏ん張れない現状に、故障離脱中の藤川も甲子園からチーム内競争をあおる強いメッセージを発していたが、思いは届かず借金は今季ワーストの5。5位広島とゲーム差は0・5まで縮まった。

 まさかの光景だった。九回2死から3連打で1点差とされ、なお二、三塁のピンチ。抑えの榎田がカウント2―2から投じた内角低めのスライダーを梵が空振り。ゲームセットと思った瞬間、低めに落ちたボールを小宮山が捕球できず、白球は一塁ベンチ前まで転がった。

 振り逃げ。三塁から同点の走者がかえっただけでなく、二塁走者までもが一気に生還した。和田監督は「考えられないことが起きている」。藤川、福原不在の救援陣の厳しい状況を、厳しい表情で振り返るしかなかった。

 代役守護神が流れを止められなかった。2死からの3連打に加え、痛かったのは暴投の前に許した重盗だ。2死一、二塁、1ボール2ストライクからの4球目に走られ、吉田バッテリーコーチは「ベンチからも野手からも声を掛けていた。すきをつくってしまった」と悔やんだ。

 あと1人の場面から、一転して一打逆転の大ピンチに。榎田も「二、三塁にした結果がああなった。そこまでに抑えておかないといけない」と暴投そのものよりも、ピンチを広げたことを敗因に挙げた。

 6月29日からのヤクルト3連戦と合わせ、チームは4試合で逆転負けは3度目。救援陣の苦境がそのまま試合結果に直結している。榎田は「2死から落ち着いて投げられなかった」と話したが、この日のゲーム展開を見れば、投手だけを責めるわけにはいかない。

 振り逃げのシーンも、記録は暴投ながら、完全なワンバウンドではなかった。吉田コーチは「あれは止めてほしかった。その後も2人も(本塁に)かえられているんでは話にならない」と、故障の藤井彰に代わってマスクをかぶった小宮山に厳しい声を投げかけた。

 そもそも八回に追加点を挙げられなかったのも問題だ。柴田が先頭で二塁打を放ったが、小宮山の一塁前へのバントで三塁アウト。相手の息の根を止められず、指揮官も「取れるところで取っていかないと、こういうことが起こりうる典型的なゲーム」と断罪した。

 和田監督は「今、チームはこういうところを乗り越えないといけない、というところに来ている。これでチームがガタッといかないように」。そう和田監督はナインに奮起を促した。故障者続出の穴は、投手、野手に関係なく全員で埋めるしかない。

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