「日本ハム０－１阪神」（３日、エスコンフィールド）

　また一つ、節目の瞬間に近づいた。三回１死で阪神・近本は古林睿煬の直球を捉えて右前打に。２３年の日本ハム戦３試合、２４年の球宴でも無安打だったエスコンでの初安打。これで通算１０００安打へあと４と迫った。

　試合前には長嶋茂雄さんの訃報に、いつも以上に気が引き締まった。「ひょんなことから長嶋さんと、１年目の時から自分を…すごい言葉は難しいですけど。引っ張ってもらったっていうのがある」。入団１年目の安打数で長嶋さんの１５３安打を超える１５９安打を記録。昨年も９月にプロ６年目以内の安打数で長嶋さんの９２６本を超え、常にミスターの背中を追ってきた。

　「そういった意味ではすごく、自分の野球人生の中ではすごく大きな人」と感謝と尊敬の念は尽きない。続けて、「毎年その記録に挑めるっていうのはすごく自分の中でもモチベーションになっている。これからも僕は一つ一つ積み重ねていきたい」と力強く誓った。

　その思いを体現するように、放った９９６安打目。そしてこの日は２盗塁も決めた。「とりあえず１勝できたので良かった。また明日も頑張ります」。一歩ずつ、気負わず快音を鳴らし続けていく。