岡田彰布監督（６４）率いる、新生阪神の秋季キャンプが高知県安芸市で行われている。コーチングスタッフも一新された中、インタビュー企画「新コーチに聞く」の第５回は水口栄二打撃コーチ（５３）が登場。秋季キャンプを経た野手陣の現状などについて語った。

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　－秋季キャンプを通しての成果は。

　「振れる力というのはこの秋のキャンプでつけたかったんで、そういう意味においてはやっぱり選手も自覚してくれたかなというのはありますね」

　－キャンプの初めと比べると、振る力はついてきた。

　「どうですか？僕らが見るよりも新聞記者さんが見たほうが評価はわかると思います」

　－高寺らの若手の振る力がついているように見える。

　「全体的に振れだしたかな。まだまだですけどね。振る意識とかインパクトを強くするとか、（岡田）監督が言っているようにボールを噛（か）むようなインパクトの強さというのはちょっとだけですけどついてきたかなというのはありますね」

　－阪神に入る前のチームの打撃のイメージは。

　「全くわからないですね。逆に真っ白な状態で見れた。甲子園の秋季練習から始まってフェニックス・リーグから来た選手も見て、もっと振ったほうがいいかなっていうのはあったので、スイング力というのは意識させていきましたね」

　－スピンスティックなど少年野球で使ってきたものも打撃練習に導入した。

　「体の使い方ですよね、基本的な。見ていても股関節の硬い選手もいるし、下半身を使えていない選手もいましたから。股関節というのはスポーツの中で一番大切。股関節周りの力というのが出来てきたら軸もしっかりすると思うので」

　－佐藤輝は途中合流で岡田監督からも指導があった。ここまでの成長は。

　「彼自身も（打球が）飛ばない、飛ばないと話をしていたんですけど（１９日の）バッティングを見たらだいぶ飛びだしましたからね。やはり、振っていく中でいろんなことを覚えていくだろうし、思い出していくだろうし。監督が言われているように下半身のスタンスの幅だとかを自覚してやっているみたいなので、これからも続けていってもらえるように考えています」

　－佐藤輝の過去２年は、前半は調子が良くて後半に失速。振る力の大切さはそこの改善にもつながってくる。

　「シーズンに入るとバテますからね。後半になるとね。疲れってなかなか取れないんですけど、振る力があればシーズンも乗り越えられるだろうし、僕らもキャンプでめちゃくちゃ振らされたときはシーズン終了までバテなかったですからね。そういう時期は絶対に必要ですね」

　－井上、前川など若手外野手への期待も大きい。

　「全員ですよね、僕が見るのは。全員期待していますから、全員が伸びてくれたら一番底上げにもなるしね。そういう意味においては、個々というか、誰々じゃなしに、タイガースの選手全員がレベルアップしてくれたら良いなと思っています」