阪神・小川が値千金のプロ1勝 連勝許さん!流れ呼んだ気迫12球3人斬り

 初勝利をあげ、矢野監督(左)から祝福される小川(撮影・神子素慎一)
 6回を無失点に抑える小川(撮影・田中太一)
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 「阪神5-3ヤクルト」(8日、甲子園球場)

 最高の笑顔で上がったお立ち台。その景色を見た感想は「すごい、きれい」だった。プロ2年目、28試合目の登板でつかんだプロ初勝利。打てるもんなら、打ってみろ。小川は自信に満ちあふれた表情で、全身を使って腕を振った。

 同点の六回にマウンドへ。先頭・中村は内角いっぱいの149キロ直球で見逃し三振。続くオスナも内角の直球で中飛に取り、最後はサンタナを三ゴロに仕留めた。目立ったのは右打者への強気の攻め。ファームでの取り組みが功を奏した。

 6月20日のファーム交流戦・巨人戦から、プレートを踏む位置を一塁側に変更。その意図は右打者の内角に投げきるためだ。直球がシュート回転する右腕は、一塁側から右打者の内角へ食い込むようにとイメージする方が、投げやすいと考えたからだ。

 「オヨに聞いたんですよ。変えてみて、どう?って」。参考にしたのは、同期入団の及川だった。左腕も今季途中からプレート位置を三塁側に変更。1軍で快投を続けていた4学年下の及川に助言を仰いだ。

 「同期の純矢(西)や及川より、遅い1勝になった」。ただ、勝負の9月で挙げた初星。矢野監督は「今の一平(小川)なら、どの場面でもいっていい。1勝できたんで、これからどんどん自信を持っていってもらいたい」と信頼を寄せた。

 前半戦は6月8日に1軍昇格したが、登板なし。ただ、空気は吸った。「雰囲気が(昨季と)全然違いましたね。負けてても勝てるみたいな雰囲気を出してる」。その一員になりたかった。

 自らの快投で逆転勝利を呼び寄せた。「胴上げの瞬間、1軍にいられないのは嫌なんで」。虎に救世主が現れた。その名は一平ちゃんだ。

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