福留 最後まで諦めない弾!ベテラン体現 九回2死から同点ソロ

 9回、同点ソロを放つ福留
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 「セCSファーストS・第2戦、DeNA6-4阪神」(6日、横浜スタジアム)

 勢いはまだまだ消せへんで!阪神はDeNAに痛恨のサヨナラ負けを喫し、1勝1敗のタイとなった。それでも1点ビハインドの九回2死から福留孝介外野手(42)が、一時同点となるアーチを放って試合を振り出しに戻した。雌雄を決する第3戦に向け「自分たちの野球をしたらいい」と力を込めたベテラン。勝てば次がある。勝つしかないんや!!

 こん身の一発で試合の流れを引き寄せたかに思われた。九回、福留がスコアボードに灯した一時同点となる大きな「1」。第1戦同様、序盤にリードを許す劣勢の状況から追い上げたが…。痛恨のサヨナラ負けにも、大黒柱は真っすぐ前だけを見つめた。

 「あした決着がつくわけだから。自分たちの準備をしっかりして、自分たちの野球をしたらいい」

 最終決戦につながる執念を見せたのは、1点を追う九回2死走者なしの場面だった。あと1人の状況で勝利を確信する敵地を、福留が完璧なスイングで一変させた。

 「狙うというよりもね。次に、次に、つなごうと思っていた」と、カウント1-1からの3球目、守護神・山崎が投じた内角低め、150キロ直球を完璧に捉えた。打った瞬間に同点弾を確信した福留はゆっくりと一塁へ走りだし、打球は右翼席上段に突き刺さった。

 チーム全員の諦めない姿勢を体現した起死回生の同点弾。CS本塁打は2017年のファーストS第1戦以来、通算5本目となり、42歳5カ月でのアーチはポストシーズン歴代2位となる記録だ。

 チームが大逆転勝利を収めた前夜は、5打数無安打、3三振と波に乗れなかった。それでもこの日は、五回に右前適時打を放つなど変わらぬ勝負強さを示した。矢野監督は「意地というか、すごいでしょ?さすがの経験というか、経験値と意地というか、そこで孝介が打ってくれたんじゃないの」と崖っぷちに追い込まれた中で見せたベテランの底力をたたえた。

 試合に臨んでいる以上、常にファイティングポーズは崩さない。七回無死一塁で迎えた第4打席。パットンの直球が右肩付近に直撃したが、ベンチに下がらずプレーを続行した。「大丈夫だから(試合に)出ているということ」と話し、その後の打席で“お返し”と言わんばかりの一発を相手に食らわせた。

 ファイナルS進出を果たすためには、勝つしか道はない。泣いても笑っても命運が決まる一戦。福留だけでなく、全員が心を新たに大一番へ挑む。

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