阪神、屈辱の零敗 金本監督「得点圏の打撃でしょう」10残塁3併殺嘆く
「阪神0-3巨人」(21日、甲子園球場)
ホームが遠かった。阪神は巨人打線を上回る9安打を放ちながら、10残塁の拙攻で零封負け。8番・大山が2度の満塁機を生かせないなど、今季最多4万6367人の大観衆に得点シーンを見せることはできなかった。宿敵にホームで連敗を喫し、貯金はゼロ。きょう22日はドラフト2位・高橋遥人投手(22)=亜大=を先発に立てて、何が何でも3タテだけは回避する。
勝利の六甲おろしは聞こえない。ため息が響く。8安打3得点の巨人に対し、9安打無得点で大観衆の期待を裏切った、屈辱の完封負け。金本知憲監督も「ヒットが出てるけど、得点圏での打撃でしょうね」と嘆いた。
再三の好機を生かせない。あと一本が出れば…という流れの中、悔やまれたのは大山に巡ってきた3度の打席だ。二回1死一、二塁では一塁頭上を襲ったライナーを好捕されて併殺に。四回2死満塁では一、二塁間を破ろうかという打球を放ち、気迫のヘッドスライディングも見せたが吉川尚の好守に阻まれた。
さらに六回1死満塁では、沢村に対して粘りながらも、最後は8球目のボール気味のフォークに手を出し、投手への併殺打に倒れる最悪の結果に。相手の守備も含め、不運な部分があったのは事実だが、結果として3タコに終わったことが敗戦につながる形となった。
金本監督は「(大山は)ちょっと右を狙い過ぎてる気がする。差し込まれ過ぎですね。自分でタイミングを変えていかないと。工夫をして。同じように立ってたら、永遠に打てませんし」と話した。今季の大山は満塁で8打席立って、6打数無安打。本調子ではない中でも好機は巡ってくる。自身の力で打破するしかない。
チームとしては、これで甲子園で田口に4連敗。前日20日に対戦した菅野にも、甲子園で6連敗中だ。巨人には開幕2戦目から4連敗で2カード連続の負け越しが決定。貯金がなくなり、勝率も5割に。3連戦3連敗を避ける意味でも、22日の試合は負けられない。
大山は試合後、「今日はすみません」とだけ話した。大山一人の責任という敗戦ではない。ただ、勢いを付けていくためには、若い力の爆発が必要となるのは間違いない。