金本監督、号泣弔辞 仙さんに優勝誓う「ウイニングボールを墓前に供えに行きます」

 阪神・金本知憲監督(49)が28日、大阪市内で行われた「星野仙一氏 お別れの会」に出席した。約7分間の弔辞では、何度も言葉に詰まり、号泣しながら星野氏への思いを語った。星野氏との間のまだ果たせていない三つ目の夢が、阪神の監督としての優勝。今季、必ずそれを果たして、優勝のウイニングボールを墓前に供えることを固く誓った。

 自然と感情があふれ出る。ユニホーム姿で臨んだ約7分間の弔辞に偽りのない思いが重なった。「実は何も考えてなくて…紙もなくてね。本当に思ったことを星野さんに伝えようと思ってたんで」。金本監督は何度も言葉に詰まった。声にならない嗚咽(おえつ)が響き、優しくほほ笑む星野氏の写真がかすんで見えた。必死に声を振り絞った。

 「いまだに…こうして写真を見るだけで…涙が止まらない日が、まだ続きます…」

 今でも信じたくはない。でも、受け入れないといけない。同じ時を戦い、泣いて、笑って、一緒に夢を追った。三つ抱いた悲願にはまだ一つ、残されたものがある。「僕と星野さんの間の三つ目の夢であるタイガースの優勝」。何度も拭った号泣の別れと共に、固めた誓いがあった。

 「一つ目の夢は僕がタイガースに来て、星野さんを胴上げするという夢はかないました。二つ目は何とか楽天で日本一になってほしい。中日とタイガースで成し得なかった日本シリーズでの優勝をどうしても、達成してほしい。これが二つ目の夢でした。先ほど言いましたように三つ目の夢が、僕がタイガースで優勝して胴上げしてもらうところを星野さんに見てほしかったです」

 約束の勝利への思いは強い。阪神に来た時、監督に就任する時。いつも背中を押してくれた。恩返しでもある三つ目の夢。実際に見てもらうことはもうかなわない。「どうしても…何か…優勝して『よくやったな』という言葉を掛けてほしかったです」。ただ、天国で必ず見てくれている。

 「今年、選手たちが頑張って、必ず優勝しますので、天国から『よくやったな』という言葉を掛けてください。そして…ウイニングボールを墓前に供えに行きますので、待っていてください」

 あなたのように甲子園を舞いたい。燃え上がる甲子園で、あなたのように夢に日付を入れたい。今年の秋、必ず。笑顔で墓前に向かい、夢のウイニングボールを贈る。

 「(星野氏が今の自分に言いそうな言葉は)『お前の思う通りに思いきってやれ』っていう。『思うようにやればいいんだ』っていうことを絶対に言ってくれてたと思います」

 空を見上げれば、声が聞こえてくる気がする。星野氏が燃えた巨人戦で幕開けの1年。愛する選手と共に、最後の夢を追う。

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