高山サード?“二刀流”まさかの志願

 「阪神春季キャンプ」(26日、宜野座)

 阪神のドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=が26日、大学時代にも経験のない三塁の守備に志願挑戦した。午後のウエートの前に久慈照嘉内野守備走塁コーチ(46)とともにサブグラウンドへ行き、ノックを開始。この日は21球と短めだったが、自身の可能性を広げるべく、“二刀流”の扉をたたいた。

 午後2時過ぎ。ウエートを行うはずの高山が、サブグラウンドの方へ歩いていった。隣にいるのは久慈内野守備走塁コーチ。外野の守備練習ならメーングラウンドで行うはず。まさか…。そう、そのまさかが起こった。

 サブに到着した高山が就いたのは三塁の守備位置。そして、そのままノックを受け始めた。計21球で失策も3つあったが、特守を終えると充実の表情でサブを後にした。

 「高校の時に内野をちょっとやっていたので、(練習は)自分からという形になりました。感想は特にないです。少しだったので。(今後続けるかは)分からないです」

 首脳陣からの指令ではなく、志願の練習だったことを明かした背番号9。グラブは同期の板山から借りたという。久慈コーチは「本人からやりたいと言ってきた。その気持ちは買う」と、どん欲な姿勢を褒めたたえた。

 午前中に行われた実戦守備走塁練習では外野の3ポジションを守ったが、内外野ができれば試合出場のチャンスが広がる。内野手の外野挑戦はよくあるが、逆は珍しい。金本監督も「外野から内野はほとんど例がない。(現DeNA・GMの)高田(繁)さん(1976年に転向)ぐらいしか」と難しさを口にした。「きっちりやるなら今年の(秋の)安芸キャンプで」と即座の内野転向は否定しつつも、将来的な挑戦の可能性には前向きだ。

 一方、高い評価を集める打撃は、フリー打撃69スイングで5本の柵越え。指揮官は「指導することないもん」とアドバイスを送ることはなかった。ウエート中も監督に見守られた高山は、全体練習終了後は鏡の前でスイングをチェックと、技術の向上に余念がない。

 明大の先輩である高田氏は、“二刀流”を成就させて、プロ野球史上初めて内外野の両方でダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)を受賞した。その名手も、最初から軽快にこなせたわけではないはず。つたなさも披露したこの日の21球のノック。わずかな時間ではあったが、自身の未来をより明るく照らす光源となった。

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