「中日3‐1阪神」(26日、ナゴド)
価値ある一打に違いなかった。吉見のゼロ行進を止めた阪神・マートンのタイムリー。無死三塁の好機を生かせないまま終われば、明日へ響きかねない状況だった。敗戦の中でも助っ人が放った一筋の光が、鬼門突破へ大きな意味を持つ。
場面は3点を追う八回だった。先頭の柴田が右中間を破る三塁打で出塁。だが今成が左飛に倒れ、代打・桧山も投ゴロに打ち取られた。一気に沸いた左翼席が尻すぼみになっていく中で第4打席を迎えたマートン。カウント2ボール1ストライクからの4球目、真ん中高めの直球をコンパクトに振り抜いた。
打球は痛烈なライナーとなって右前へ弾んだ。3試合連続安打となるタイムリー。吉見には2011年以降、ナゴヤドームで17回連続無得点と苦汁をなめてきた。負の記録を止め、自身も無安打で終わらなかったことは明日につながる。
ただ本人は試合後、「オツカレシター」と厳しい表情を浮かべて帰りのバスに乗り込んだ。今遠征には米国で教師を務める両親が帯同。球団関係者によると米国の学校が夏休みに入る時期を待ち、1週間程度の休暇を取って奮闘する息子の応援に駆けつけたという。
以前から自身のヒットよりもチームの勝利を喜ぶマートンだけに、白星をプレゼントしたかった思いは想像に難くない。仕切り直しの第2戦。最終打席で放った1本が、ナゴヤの空気を変える。
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