「阪神1-2巨人」(6日、甲子園)
またも決定打を欠いた。GWは9戦1勝で終了。阪神・和田豊監督(49)は個人の名指しこそ避けたが、各打者の二面性を嘆いた。チャンスでは凡退、得点圏走者なしでは別人のように快打を放つ。ほとんどジキルとハイドだ。特に新井貴浩内野手(35)に“ここぞ”の場面での奮起が待たれる。
まるで悪魔に魅入られたかのようだった。初回、鳥谷、平野の連打から迎えた1死満塁で打席に立ったのは5番・新井。その初球、高めの真っすぐを強振したが打球は浅い右飛。三塁走者の鳥谷は動けず、続くブラゼルは3球三振に倒れた。
沢村攻略にはこれ以上ない絶好機だった。それなのに…。新井はすべての責任を負うかのように「1打席目やね。ちょっと押された」と、悔しそうに振り返った。
五回まで毎回先頭打者が出塁するなどその後も、チャンスはあった。だが、和田監督は「やっぱり初回やな。流れを持ってこないといけないところで、主導権を握れないまま…」と試合のポイントを挙げた。
同時に「ランナーを置かないときと、置いたときのバッティングがあまりに違いすぎる」と指摘した。それが顕著なのはやはり新井だろう。先頭で打席に立った四回は三遊間を破る左前打。2死走者なしの八回は、中堅の頭上をグングンと越える二塁打を放った。逆に五回2死一、二塁では、2球目の真っすぐを打ち上げ中飛に倒れた。
和田監督が「点を取れない焦りもあるだろうけど、あまりに力が入りすぎてる。その代わり、走者がいないときは気楽に打てるから、いいポイントで、いいスイングができてる」。不調でないのは、この日の2安打が証明する。しかし、開幕から3日の中日戦まで4番を張ったその責任感の強さが、筋肉を緊張させてしまうのか…。
ただ、好機で打てない呪いを解けるのは、新井自身でしかない。片岡打撃コーチは「チャンスでやってやろう、という、いい意味での思い切りを持ってもらいたい」と期待する。昨季打点王が、走者を置いた場面が苦手なはずはない。
もちろん主砲が苦しんでいるときこそ、周囲が助けるのがチームだ。指揮官が「振りすぎるか、当てにいくかで、その間がない。当てにいく選手は(狙い球が)絞れていない」というように、呪いにかかっているのは新井1人ではない。
最後に和田監督は「悲観ばかりしてもしようがない。これでしっかりと線を引いて、もう一回あさってからいきます」と宣言した。呪われた黄金週間はもう終わった。前を向いて進むしかない。
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