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関本代打V弾!七夕星でGに2差接近

 6回、代打で勝ち越しソロを放った阪神・関本はブラゼルと歓喜の“ダンス”(撮影・飯室逸平)
 6回、代打で勝ち越しソロを放った阪神・関本はブラゼルと歓喜の“ダンス”(撮影・飯室逸平)

 「阪神3-2ヤクルト」(7日、甲子園)

 “右の”新代打の神様だ。阪神が1点差を逃げ切り3カード連続勝ち越し。決めたのは関本賢太郎内野手(31)の一振りだった。同点の六回に代打で登場。右翼ポール際へ3号決勝ソロを放った。七夕の夜空にアーチをかけ、代打連続打席出塁はプロ野球記録にあと1と迫る「10」。チームの貯金は今季最多の「11」となり、首位巨人には2差に迫った。

  ◇  ◇

 年に1度「願い」を込める夜。3時間ちょうどの熱戦で1度だけ出陣を許された戦士が、人生で最高の技(わざ)を披露した。

 同点で迎えた六回1死。ここまで好投の下柳に「代打」のコールが響く。打席に向かう関本は相棒を眺め、集中力を高めた。粘投を続ける中沢の3球目。外寄り高めのチェンジアップに究極のタイミングで反応した。風はいつもの浜風とは逆。だが、そんなアドバンテージも必要のない完ぺきなスイングが打球の軌道を定めた。右翼席へ吸い込まれる関本の3号決勝ソロが、拮抗(きっこう)戦にケリをつけた。

 「人生で一番いいスイングができたんじゃないかと思います」。甲子園今季2度目のお立ち台。関本は何のためらいもなく、4万超の観衆を前に自画自賛した。

 クラブハウスへ続く通路。報道陣から「人生で一番‐」の解説を求められた殊勲者は「言葉で表現するのは難しいけど…」と照れながら続けた。「体が投手に正対せず、手だけでヘッドがうまく走った感じ。右方向への打ち方としては100点。もう一度打てと言われても打てない」。右打ちの名人が「二度とできない」と断言する満点打法をここぞの場面で体現する。天が「願い」をかなえた。ベースを一周する関本自身が、そう信じていた。

 この日、自宅を出る前、次男大成くん(5)が幼稚園で書いた短冊を目にした。「やきゅうせんしゅになりたいです」。関本はその横に小さく「願い」を書き添え、甲子園へ向かった。「ホームランを打ちたい」。テレビ観戦する家族に捧げた七夕アーチ。天の川が、子より先に父の祈りをかなえてくれた。

 今季は開幕から控えに回る。代打稼業の難しさを痛感しながら準備を怠らない。だが関本とて、不安はある。無形の力を借りたい‐そんな思いで短い「旅」をした。6月22日。米子遠征初戦の朝、普段より3時間以上早起きし、高橋光とともに車で鳥取の県境を越えた。向かった先は出雲大社。

 本来縁結びの神として有名だが、中国地方随一のパワースポットとして知られる同社に「ずっと前から行ってみたかった」と思い立った。高さ24メートルに及ぶ国宝指定の本殿に圧倒されながら、荘厳な空気を吸い込んだ。試合前のわずかな時間。急ぎ足で内殿を参り、パワーを体内に備えた。その夜、広島戦で代打同点三塁打を放った‐。

 値千金の一発で代打連続打席出塁を「10」まで伸ばし、種田(中日)の持つ日本記録に王手をかけた。「明日それを思い切り意識しながらやってみたい」。関本をベンチに温存する阪神打線の強さに説明はいらない。首位巨人に2差まで詰め、貯金は今季最多の11まで膨らんだ。関本が天の川に「悲願」をかなえるみやびやかな橋をかけた。

(2010年7月7日)

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