「阪神1-2広島」(13日、甲子園)
まさかの結末だった。右ひじ痛から1軍復帰した阪神の守護神・藤川球児投手(28)が、打たれた…。1-1の延長十回二死一塁、栗原に決勝二塁打を浴びた。六回に新井の5号ソロで先制したが、八回にはウィリアムスが押し出し四球を与えて同点。JFが崩れ、3連勝はならなかった。
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うつむかず、うなだれず、ただ前を向いた。クラブハウスへと続く階段をゆっくりと上りながら、守護神は敗戦の責任を背負った。
「申し訳ないね」
口元にたたえたかすかな笑み。腹の底からこみ上げる悔しさを押し殺し、球児は潔く悪夢の瞬間を振り返った。
「あの1球だけ?そんなことはない。フォアボールも出してるしね」
1軍復帰早々に訪れた延長十回のマウンド。東出を内角150キロで空振り三振に仕留めると、続く石井琢も同じ内角直球で連続三振。完ぺきな投球で二死を奪った球児だったが、この直後に悪夢が待ち受けていた。
天谷に四球を与えて二死一塁。ここで迎えた4番・栗原にカウント1-1から投じたフォークがバットの射程をかすめた。左翼後方に高々と舞い上がった打球に、金本がフェンス際まで背走。こん身のジャンプとともにグラブを差し出したが、打球は無情にもフェンス上部を直撃。スタンドを切り裂く虎党の悲鳴とともに、一走・天谷が生還。これが決勝の適時二塁打となった。
5月2日の巨人戦(甲子園)で、同点の最終回に坂本に決勝被弾。翌日に右ひじの違和感を訴え、登録を抹消された。ファームでのリハビリ、再調整を経てこの日、抹消最短期間の10日で戦線復帰。手痛い一打を浴びた。それでも本来の切れ味を取り戻した直球で2三振を奪うなど、虎党に全快を印象付ける内容。「真っ直ぐはかなり切れ始めているかなと思います」と真弓監督。久保投手コーチも「元気に投げてますよ。フォーク?それは結果論ですから」と変わらぬ信頼を口にした。
全快を見せつけながら、たった1球に泣いた。07年9月24、25日の横浜戦以来となる2登板連続の敗戦投手。体調については「投げてる以上は(大丈夫)」としながらも「とにかく抑えないとね」と無念さをにじませた。
「まだまだ試合あるんで頑張ります」
自らに言い聞かせるように、今後の奮闘を誓った。覇権奪回に不可欠な鉄壁守護神。巻き返しの場はまだ山ほどある。今は元気な球児の姿さえあれば、それでいい。






