大相撲の横綱白鵬(26)=宮城野=ら力士団約100人が4日、東日本大震災の被災地を訪問する巡回慰問を始めた。初日のこの日は岩手県山田町の山田南小学校と大槌町のふれあい運動公園を訪れ、白鵬は自身では初めてという1日2度の横綱土俵入りを披露した。犠牲者の冥福を祈ると同時に、復興を目指す人々には「笑顔でいってほしい」と前向きなメッセージを送った。
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報道で何度も見ていたはずだった。4月に慰問した福島県の避難所で、震災の話も聞いていた。それでも津波の被害を直接受けた街並みを初めて目の当たりにした白鵬は「テレビで見るのと全然違うんだなと。えっ、と思わず声を上げてしまいました」と、顔をこわばらせた。
がれきが町中に残る復興の道半ばにあって、山田町では約2000人、大槌町でも約800人が力士の訪問を楽しみに集まった。1日につき2カ所を訪問し、横綱土俵入り、ちゃんこ鍋の炊き出し、力士と写真撮影などの交流が主な内容で、白鵬は1日2度、横綱土俵入りをする。
土俵入りで行う四股には大地の邪気をはらう意味があるとされる。鎮魂にはこれ以上ない儀式だが、白鵬は違う思いも込めていた。「人間は単純で忘れるもの。思い出してしまう時もあるかもしれないけど、引きずらずに笑顔で行くことが大事」と、生き抜いた人々を勇気づけることにも心を砕いた。
3日の宿泊地の盛岡市から山田町へはバスで山道を約3時間。大槌町へ移動し、次の宿泊地である北上市へもバスで約3時間かかった。体の重い力士にとって、腰に負担がかかる強行軍にも白鵬はさらりと「触れ合いの中で、本当に来て良かったという気持ちになった」と言い切った。
色紙に、ノートに、Tシャツに、そしてまわしに。白鵬は時間が許す限りサインをして、写真撮影の求めに応じた。送迎バスへ歩きながらもペンを走らせた。「ハクホー」「日本一」と熱い声援も飛び交い、「あらためて絆でつながっているんだなと思いました」としみじみ。白鵬が乗り込んだバスに手を振る人々は、間違いなく笑顔だった。
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