焼きそばにしか見えない焼きそばパンが話題 どうして、ここまで焼きそばなのか?

 見た目ほとんど「焼きそば」のような「焼きそばパン」がSNSなどで話題になっている。京都・宇治市のパン屋「麦わらぼうし」が百貨店などのイベントで販売しており、注目の的に。多い日は1日200個売れるという。まるで「パン焼きそば」のようだ。なぜ、ここまで行ってしまったのか。

 焼きそばにしか見えない焼きそばパンは、どうやら関係者の間でもかなり有名のようだ。阪急百貨店の地下食品売り場を訪ね、あるケーキ店の店員に尋ねると、すぐに案内してくれた。

 言われた通り進むと、店の前には人だかりができていた。店頭に並んでいるのは、どう見てもパックされた焼きそばだ。しかし、じっくり観察すると下の方にパンらしきものが見える。やはり、正真正銘の焼きそばパンで間違いない。訪日外国人らしき人が不思議そうにのぞいているのが印象的だった。

 なんで、ここまで紛らわしくなったのか。遡ること10年ほど。京都の京阪「三室戸駅」近くにパン屋「麦わらぼうし」がオープンした。店員の山田ひかりさんによると「周辺には男子学生が多くて、店長が学生の要望に応じていたらどんどん焼きそばが増えて行き、いまのようになったそうです」という。

 そもそも焼きそばパンは、いまから50年ほど前に東京都荒川区にあった「野澤屋」(2010年に閉店)が焼きそばとコッペパンを同時に販売していたところ、客に「面倒だからはさんで」と言われてつくったのが始まりとされる。

 その後、安くてボリュームがあることから高校の購買などで定番に。いわゆる炭水化物攻めだが、学生時代にお世話になった人も多いのではないだろうか。

 ネットの反響も様々で賛否両論だ。「これは焼きそばパンではない。焼きそばとパンだ」「盛ればいいってもんじゃないのよwww」「これは主従関係が逆転しているのでパン焼きそばだ」「どうやって食えばいいんだ」「もう下に食パンしこう」などなど。

 値段はメーン商品のミニが380円、レギュラーが480円。特製の岡山産地鶏唐揚げ入りのミニ600円、レギュラー833円となっており、店側によると「多い日には1日200個売れる」そうだが「1玉半の焼きそばを挟んで盛るのは結構大変」とのことだった。

 その人気はいまや全国区。山田さんは「今年の5月、新宿の伊勢丹で販売したときも大人気でした。パンなのにお箸がついているのも受けたみたい。”ボリュームが凄い”と東京の特に30~40代の女性に好評でした」と話す。

 阪急梅田店での販売はひとまず23日まで。その後、大丸心斎橋店、あまがさき阪神、大丸京都店、京都タカシマヤなどを経て再び9月11日から阪急梅田店に戻ってくる予定だ。

 味付けはどちらかといえば薄味。「神戸のどろソースで育った私には薄味ですが、みなさん、マヨネーズをつけたりしていろいろ楽しんでいるみたいです」と山田さん。みなさん、どこかの機会に一度味わってみてはいかがだろう。

(まいどなニュース特約・山本智行)

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