なでしこ熊谷“3人分”背負う
リオデジャネイロ五輪を目指すサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は19日、沖縄県石垣市内で候補合宿2日目を行った。午前練習の途中からDF熊谷紗希(25)=リヨン=が合流。午前と午後の2部練習で、それぞれ約1時間半ずつ、攻撃の組み立ての確認を中心に練習を行った。
疲れた顔ひとつ見せないのが、自覚の表れだ。守備の大黒柱としての活躍が期待される熊谷が練習に合流。早速、はつらつとしたプレーでチームを盛り上げた。
17日にフランスで行われたリーグ戦を終え、すぐさま空港へ。前日18日夜に羽田空港に着き、この朝、合宿地の石垣へ移動した。「(羽田)空港から一歩も出ていないので、雪も見ていない」と言うほどタイトなスケジュールでの移動。まだ時差ぼけも残るという。それでも弾丸参加を敢行したのは、「一緒にできるこの時間を大切にしたい」との強い思いからだった。
アジア最終予選まであと約1カ月。この合宿が終わると、国内組と離れ、再びクラブに戻ってのリーグ戦が待っている。2月中旬の強化合宿(沖縄)には参加できないだけに、この合宿でどれだけ連係を確認できるかは非常に重要だ。
昨年末に現役を引退したレジェンド、澤穂希さんの背中をずっと見続けてきた。同じく引退を表明したGK海堀あゆみさんの支えも思い返し、心に期すものがある。「一緒に戦ってきた仲間として、もっとやりたかったって思いはあるし、大きな存在だったことは間違いない。その気持ちも背負ってやれることをやる」。25歳の守備の要は“3人分”の働きを誓った。