澤、“夫婦対決”制して決勝進出

 「サッカー・皇后杯・準決勝、INAC神戸2-0仙台」(23日、等々力陸上競技場)

 準決勝が行われ、今大会限りで引退する日本代表MF澤穂希(37)が所属するINAC神戸は、澤の夫・辻上裕章氏(39)が運営・広報部長を務める仙台との対決を2-0で制し、2大会ぶりに27日の決勝(等々力)に進んだ。澤はボランチでフル出場した。初優勝を狙う新潟は、前回覇者の日テレを1-1からのPK戦で下した。

 決勝進出をかけた注目の“夫婦ダービー”は、妻に軍配が上がった。「ダービー?妻の勝利です。夫婦のことでほかのことは譲れるけど、この試合だけは譲れないと思っていた」。有終Vに王手をかけた澤は、ちゃめっ気たっぷりに笑わせた。

 立ち上がりから足が動かず、体も重かった。好機をつくれない時間が長かったものの、前半39分に均衡を破った。右CK、澤が近いサイドに走ってマークを引きつけ、FW高瀬を経由し、FW大野が先制ゴールを決めた。

 後半16分にはチームの連係で右サイドを鮮やかに崩し、MF中島が追加点を奪った。「みんなが決勝に連れて行ってくれた」。夫との対決、そして勝てば2大会ぶりの頂点に王手がかかる一戦。いつも以上に闘志はみなぎっていた。

 中盤で献身的なプレーを見せ、チームは今大会全4試合で完封勝利を成し遂げた。「みんなで失点しないようにという思いがプレーに出ていた」。試合後はピッチ裏の通路で、夫から「おめでとう」とねぎらいの言葉をかけられた。

 泣いても笑っても次の試合でユニホームを脱ぐ。「今までやってきたこと全てが後輩に残したメッセージ」と話していたように、終了の笛が鳴った瞬間、ボランチでコンビを組む20歳のMF伊藤美と抱き合って喜びを分かち合った。

 「さみしいね。でも自分で決めたことだから。最後、この最高のメンバーでトロフィーを掲げることをイメージして戦いたい。ゴールを取って、勝って終われたら最高」

 ラストマッチへ準備は整った。「澤穂希」の集大成となる27日、ゴールとタイトルで現役生活を締めくくる。

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