「なでしこリーグ、新潟０－１ＩＮＡＣ神戸」（５日、新潟市陸上競技場）

　約１カ月半ぶりにリーグ戦が再開し、首位のＩＮＡＣ神戸は新潟に競り勝ち、勝ち点を３７に伸ばした。女子Ｗ杯の後、リーグ戦を欠場していたＭＦ澤穂希が復帰。３７歳の誕生日を６日に控え、フル出場したが、ゴールは奪えなかった。

　３６歳最後の日、“ミセス”となった澤がＷ杯カナダ大会決勝以来、６２日ぶりにピッチに帰ってきた。「好きなことをやれるのは、すごく幸せ」という思いをかみしめながら、９０分間走り続けた。

　Ｗ杯後は左膝痛で７月のリーグ戦出場を回避した。８月中はトレーニングに専念し、しっかりとコンディションを整え、満を持しての先発出場。前半２１分にはＦＷ大野の落としたボールに右足ボレーを合わせた。後半３８分にもＣＫを頭で合わせたが決められず、「１つのチャンスで得点を奪えないと」と課題を口にした。

　「年齢うんぬんじゃなくて、１日１日悔いなく楽しみながらやれたら」と澤。この日の観客は１７０９人と少なめだったが、スタンドからは「おめでとう」の声も飛んだ。「結婚後も現役を続けられる選手が１人でも増えたらいいな」。新たな夢も胸に、３７歳の澤が走りだす。