なでしこ崩壊 大きすぎた米国との溝

 「カナダ女子W杯・決勝、日本2-5米国」(5日、バンクーバー)

 決勝を行い、日本代表は2-5で米国に完敗し、2連覇はならなかった。日本は前半16分までにMFカーライ・ロイド(32)にハツトトリックを許すなど4失点。同27分にFW大儀見優季(27)=ウォルフスブルク=が1点を返し、後半7分にもオウンゴールで2点差としたが、直後の5失点目で万事休した。米国は4大会ぶりとなる史上最多3度目の優勝を果たした。

 涙が止まらなかった。前半の4失点中3失点に絡んだDF岩清水梓(28)=日テレ=は試合後も泣いていた。「立ち上がりの失点は自分のせい。チームに申し訳ない」。ふがいなさ、悔しさが胸の奥からこみ上げた。

 前半は0-0でしのいで後半勝負というシナリオが開始わずか2分40秒で崩れた。低い弾道の右CKはゴールエリア外側へ一直線に飛んだ。トリックプレー。ロイドがペナルティーエリア外からニアサイドへ斜めに駆けて来る。岩清水は右手を挙げ「マークしている」と合図。だが、ロイドは左足アウトで一瞬早くボールに触れ、ゴールネットを揺らした。

 「分かっていたけど、想像以上のスピードでやられた」と岩清水。その2分後、今度は右FKからまたも低くて鋭いボールをニアへ蹴られ、最後はゴール前の混戦から再びロイドに決められた。

 同14分には岩清水のクリアミスから3失点目。その2分後にもパスミスから逆襲を受ける。前に出ていたGK海堀あゆみ(28)=INAC神戸=を見透かしたような、ロイドのセンターサークル付近からの約50メートル、超ロングシュートで失点した。16分間で4失点-。勝負はついていた。

 連覇を期した大会で、逆に突きつけられた米国との差。事前の分析、準備、試合中での修正力など、3度目の女王に輝いた女子サッカー王国との間には埋めがたい溝があった。リオデジャネイロ五輪に向け、まずは来年3月に予定されるアジア予選が次の目標となる。出場枠は二つしかない。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

なでしこJAPAN最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス