日本サッカー協会は１日、Ｗ杯女子カナダ大会（日本時間６月７日開幕）で２連覇に挑む女子日本代表２３人を発表し、ＭＦ澤穂希（３６）＝ＩＮＡＣ神戸＝が６大会連続で選出された。１１年の前回大会得点王と最優秀選手に輝いた澤は、昨年５月の女子アジア杯以来の復帰。そのほか、前回優勝メンバーのＭＦ宮間あや（３０）＝岡山湯郷＝らが順当に選ばれた。

　思わずこみ上げた涙が日の丸への思いの表れだった。クラブハウスで騒ぐ若手選手から選出を聞き、ＤＦ近賀やＦＷ大野から抱きつかれて祝福された澤は「うれしかったし、泣きそうでした」と喜びに浸った。約１年間遠ざかった代表の青いユニホームに「今までとは違う気持ちでこの日を迎えた。正直ドキドキしていた」と、正直な思いを吐露した。

　「日の丸を背負って戦いたい」という思いが色あせることはなかった。名前を呼ばれるために、日々練習に励んできた。今季はリーグ開幕から好調を維持。全５試合にフル出場し２得点と、チームの大黒柱として尽力する。

　日本代表の佐々木監督は「現在の試合状況を見れば、小手先のうまさでなくて、９０分間最後の最後まで集中し、惜しみなく体を張り、戦っている姿勢（がある）」と評価。「ピッチ内外を含めて、総体的にチームの柱として頑張ってもらいたい」と、精神的支柱としても期待を寄せた。

　代表通算１９７試合出場。２００試合の大台へ、ピッチに立てば男女を通じて史上初の６大会連続出場になる。「試合に出られることが確立されたわけではないので、まずはそれが目標」。前人未到の大記録達成へ、歩みは止めない。

　「みんなの背中を押せるように、チームが上にいけるように、自分が経験してきたことを伝えられたら。とにかくプレーで見せることだけ」。自らに言い聞かせるように話した３６歳。諦めず、高みを目指し続けてきた澤の思いは、ついに届いた。