【西野監督ってこんな人】根っからの現場主義者「自分は芝生の上が落ち着く」

 サッカー日本代表の西野朗新監督
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 日本代表の西野朗新監督はどんな人柄で、どんなサッカー観の持ち主なのか。歴代担当記者がその素顔に迫る。

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 例えば、神輿(みこし)の上に乗る姿が何よりも様になる人。スターというものは、まわりに創り上げられるものではなく、生まれながらに持つ、先天的な要素なのか。12年、シーズン途中に神戸の監督に就任した西野監督を見た際に感じたことだ。

 当時の神戸から見れば「隣町の名将」がやってきた形だ。G大阪で大きなタイトルを獲得した、J1最多勝監督。成績不振にあえいでいた神戸からすると、そのきらめきはまぶしく、期待度も高かった。G大阪時代からの愛車のカラーは「ワインレッド」。神戸に来ると「監督、ヴィッセルカラーですね」という周囲の声に照れて、即座に白色の同車種へと変更。何とも人間くさくも、愛すべきスターだった。

 根っからの現場主義者。G大阪の監督を退いた後、5カ月のブランクを経て神戸の監督に就任した際には「自由がこんなに苦しいものだとは、思わなかった。やはり自分は芝生の上が落ち着く」と話した。名古屋の監督を経て、日本協会の技術委員長になった際も「本当はこういう(室内の)照明ではなく、太陽の光が一番なんだけど」とダンディーに言っていたほどだ。

 ただ、神戸担当をしていた時の「西野監督」に対しては正直、ポジティブな印象が少ない。シーズン途中に就任も、チームを立て直すことはできず。降格危機の残り3試合でチームを去る際には、何度も何度も選手に謝罪し「自分だけ楽になるつもりはない」と、さみしい表情で語っていたのが印象的だった。

 日本代表を担当している今、神戸の絶対的存在である三木谷会長に請われてシーズン途中の就任を受け入れた過去が、田嶋会長の決断によって技術委員長から代表監督へと立場を変えた現在にかぶって仕方ない。取材を通じて、西野さんに感じた恩義は数知れない。W杯まで残された時間は少ないが、願わくば、一片の悔いも残さぬ采配をふって欲しい。(11~12年神戸担当、14年~日本代表担当・松落大樹)

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