G大阪MF井手口が英2部リーズへ完全移籍 今季はスペイン2部に期限付き移籍

 J1G大阪の日本代表MF井手口陽介(21)が4日、大阪府吹田市のパナソニックスタジアム吹田で記者会見し、イングランド2部リーズへ完全移籍することで基本合意したと発表した。

 井手口は英国の労働許可証取得の申請中だが、会見に同席したG大阪の山内隆司社長は、認可の有無にかかわらず今季はリーズと協力関係にあるスペイン2部クルトゥラル・レオネサへ期限付き移籍すると明かした。

 井手口は「中学、高校、プロと合わせて9年間このチームでお世話になってきた。このチームに入ってなかったら今はないと思うので感謝の気持ちがすごくある。ずっとこのチームでプレーして、チームを勝たせる選手になってタイトルをいっぱい取りたかった」と生まれ育ったG大阪への愛着を口にした上で、「さらなる成長を求めて挑戦したいという気持ちがあったので、移籍することに決めました」と決断の理由を明かした。

 移籍へと心が傾いたきっかけとして昨年11月の日本代表の欧州遠征を挙げ、「世界トップの選手たちと試合をして、実力の差を突きつけられ、自分も悔しい思いをした。その差をどれだけ縮められるかというのが、これからサッカーをする上で大事だと思ったので、少しでも早く海外に行きたい気持ちが強くなった」と話した。

 ロシアW杯を半年後に控え、環境を変えることは大きなリスクも伴うが「W杯もあるので(待った方がいい)とよく言われますが、自分はもちろんW杯に行きたいですけど、そういうのは何も(考え)ない状態にして、自分の思ったままに行ければ一番いいと思って決断しました」と正直な思いを吐露した。

 日本代表ハリルホジッチ監督に移籍に関する相談をしたのかと問われた井手口は「最初は話を聞こうと思ったんですが…なんかやめました」と笑いを誘い、コミュニケーションの不安については「言葉はできないですけど向こうの人は明るいと思うので、言い方は悪いですけどノリで(やっていく)」と強心臓ぶりも見せた。

 豊富な運動量が持ち味の井手口は17歳でトップ昇格を果たし、16年リオデジャネイロ五輪にチーム最年少の19歳で出場。今年6月に日本代表として国際Aマッチデビューを飾り、8月のW杯最終予選オーストラリア戦では日本のW杯出場を決定付けるゴールを決めた。

 また、リーズとクルトゥラル・レオネサも公式HPで井手口の加入を発表した。

 ◆井手口陽介(いでぐち・ようすけ)1996年8月23日、福岡市出身。中央FC-ストリートSC-油山カメリアーズ(現カメリアFC)を経て、ジュニアユース、ユースとG大阪の下部組織で育つ。高校2年時の13年に2種登録され、14年にクラブでは宇佐美(アウクスブルク)以来となる飛び級でトップ昇格。15年末に中学で同学年だった夏海夫人と結婚し、16年6月に長女愛乃(ひなの)ちゃんが誕生した。国際Aマッチ11試合2得点。J1通算60試合8得点。J3通算11試合1得点。171センチ、71キロ。利き足は右。血液型O。

 ◆リーズ・ユナイテッド 英国北部リーズを本拠地として、1919年に創設された。リーグ優勝3回、FA杯優勝、リーグ杯優勝が各1回。60~70年代と「ヤング・リーズ」と呼ばれた90年代後半から黄金期を迎えた。00-01年の欧州チャンピオンズリーグでベスト4に進出したが、その後財政難に陥り04-05年から2部降格。07年に破産申請し、07-08年は3部降格。10-11年から2部に復帰した。今季から元スペイン代表FWトーマス・クリスチャンセン監督が指揮を執る。本拠地エランド・ロードは4万242人収容。

 ◆クルトゥラル・レオネサ スペイン・カスティーリャ・イ・レオン州を本拠地として1923年に創設された。長くスペイン3部だったが、今季は43季ぶりに同2部へ昇格した。14-15年シーズンに創設90周年を記念したタキシードユニホームを発表して話題となった。本拠地エスタディオ・レイノ・デ・レオンは1万3346人収容。

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