ハリルジャパン 歴史的惨敗にブーイング 63年ぶり屈辱…日韓戦ホーム4失点

 「サッカー・東アジアE-1選手権、日本1-4韓国」(16日、味の素スタジアム)

 日本は1-4で韓国に完敗し、通算2勝1敗の2位に終わって2013年以来2大会ぶりの優勝を逃した。前半3分にFW小林悠(30)のPKで幸先良く先制も、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)が就任後最多の4失点と守備が崩壊した。韓国に敗れるのは2010年5月以来で、ホームの韓国戦で4失点以上の負けは1954年3月以来63年ぶりの屈辱。これで国際Aマッチの対戦成績は13勝23分け39敗となった。韓国は2勝1分けで大会初の2連覇。中国は北朝鮮に追いつかれて1-1で引き分けて3位。北朝鮮は最下位に終わった。

 怒りよりも、悔しさよりも、情けなさを感じる試合だった。スタンドには今大会最多となる3万6645人が詰め掛けたが、終了のホイッスルが響く前に帰路に就く姿も散見。試合後には、ブーイングと共に「ハリル、辞めろ!」と叫ぶサポーターもいた。

 あらゆる局面で惨敗した。前半2分にPKを獲得。同3分に先制したものの、そこからはズルズルと後退。球際の弱々しさ、闘う姿勢、勝利への渇望。ピッチ上でプレーした14人からそれを感じるシーンは皆無で、何もかもが消極的。ホームでの韓国戦4失点以上は、長い歴史の中でも63年ぶりという屈辱の90分間を演じた。「今大会には10人、11人の選手を呼びたくても呼べなかった。しかし、その選手を呼べたとしても、今日の韓国戦は難しかっただろう」。ハリルホジッチ監督は白旗を揚げた。

 際立ったのは、この一戦に懸ける両チームの“温度差”。韓国の申台龍監督は「2-0からの逆転負け(2-3)で、私の監督としてのキャリアに大きく傷を付けた」と語る16年1月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選を引き合いに「苦い経験があったので、頭の中で何度も何度もシミュレーションをした」と必勝を期していた。

 だが、ハリルホジッチ監督は違う。「私と違う意見があっても良いが、(今大会の)この2勝は素晴らしい結果」。W杯に向けた選手のテストと、明確に位置づけてきただけに「選手を見るのも一つの目的。今大会では21人の選手がピッチに立った」と一定の収穫を口にするなど、日韓戦そのものの捉え方は180度違った。

 指揮官の覚悟は選手にも伝わる。DF昌子が「今日、交代で入ってくる選手からの指示(ベンチからの伝令)が少なかった」と感じたように、逆転への策を用意していたかについては疑問符が付く。立場の違う選手と監督だが、歴史的大敗への責任はそれぞれ重い。

 W杯に向けた国内組のテストは間違いなく必要なものだ。だが、それとは別に抑えるべき“肝”というものが、日韓戦にはある。選手も監督も、大事なものが抜け落ちた90分間を見せ、年内最後の代表戦は終わった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス