W杯決めるために…ハリル監督を検証 2つの不安要素が露呈した痛恨ドロー 

 サッカー日本代表は13日にテヘランでW杯アジア最終予選のイラク戦に臨み1-1で引き分けた。前半8分にFW大迫勇也(27)=ケルン=が先制したが、後半27分に守備の連係ミスから同点とされた。B組首位で6大会連続のW杯出場に王手をかけたものの、酷暑の中で足が止まる選手が続出。ハリルホジッチ監督は試合後「オーストラリア戦が決勝戦ということになった」と、次のオーストラリア戦(8月31日・埼玉)を大一番ととらえたが、最終戦のアウェー・サウジアラビア戦(9月5日)に向けて不安を残した。

 開始時の気温37度超。しゃく熱のテヘランで喫した悔しいドローには、W杯出場に向けて見逃せない教訓があった。負傷者などのアクシデントもあったが、あらためて浮き彫りになったのが、日本代表がピッチ内外で抱える2つの不安要素だ。

 1つ目が試合運びのつたなさ。先制点が逆に試合を困難にした。ハーフタイムにはハリルホジッチ監督が「2点目を取れば試合を終わらせることができる」と指示を飛ばすも、酷暑の中でリスクを警戒しすぎた結果、攻撃の迫力が低下。試合を決めきれずに消耗戦となり、後半28分に被弾した。先制後に追いつかれた試合は最終予選で4試合目。悪癖は改善されていない。

 2つ目として、ピッチ外では試合に向けた指揮官のマネジメントにも疑問符が付く。5月28日から、シーズン後となる海外組を対象とした合宿を敢行。もっとも、一昨年はMF清武(現C大阪)が、昨年は本田がこの時期の合宿で負傷し、ともに6月の代表戦を欠場した。休息期間を削りながら調整した結果、イラク戦の中盤以降、海外組中心に足がつった選手が続出してしまった。

 オーストラリア戦は海外組にとってはシーズン開幕前。西野技術委員長は現体制の支援を明言する一方で「(準備期間は)十分にあったわけだから。検証しないといけない」と、7月の技術委員会で分析と検証を行う意向を示した。

 シリア戦から一転、たくましさを見せたDF昌子の台頭など収穫もあった。ただ、W杯に王手をかけたと言っても、残り2戦連続ドローでは、イラク戦でB組3位以内で確保したプレーオフへ回る可能性もある。14日でW杯開幕まであと1年となった。ハリルホジッチ監督は「オーストラリア戦が決勝戦ということになった」と語るが、このままでは楽観視はできない。

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