ハリル「哲学」曲げた クラブ出場機会ない選手も招集 苦渋の26人

 日本サッカー協会は29日、W杯アジア最終予選B組でイラク、オーストラリア戦に臨む日本代表26人を発表した。FW本田圭佑(30)=ACミラン=ら多くの海外組が、所属で出場機会を得られていない状況だが、バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は代役が不在という認識を示し、苦渋の決断で招集に踏み切った。また、GK川島永嗣(33)=メッス=が復帰し、MF永木亮太(28)=鹿島=が3月の代表候補合宿以来の選出を果たした。

 苦しい本音がポロポロとこぼれてくる。「今回は本当にたくさんの問題が起きすぎている。このリストを作るのは簡単ではなかった」。力強い口調とは裏腹に、ハリルホジッチ監督の悩みは深い。

 哲学を曲げた。かねて「(クラブでの)出場機会を得なければ、代表には呼べない」と言い続けてきた。多くの海外組がベンチを温め続ける現状に、「普通の基準でいけば呼べない」と語った上で嘆いた。

 「川島、長友、吉田、長谷部、香川、清武、本田、岡崎、武藤、こういった選手をのけてしまうと、誰と交代するのか?日本と欧州は歴然とした差がある。先発ではないから、『はい、じゃあサヨナラ』にはならない」。ベンチ入りの上限を3人超える26人を招集したのも苦悩の表れだ。

 会見ではベロエ・スタラザゴラ(ブルガリア1部)のMF加藤恒平(27)の名前を挙げるなど、欧州各地に視察ネットワークを広げていることを強調したが、お眼鏡にかなう選手はなし。既存の中核の奮起に期待せざるを得ない状況だ。

 今回の2連戦の結果次第では、再び進退問題に発展しかねない。「『(選手には)先発で出ていないけど、信頼しているよ』というメッセージだ。グラウンドで返答を待つだけ」。揺るがない信頼を寄せる主軸に、自らの命運を託す。

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