澤、ラストW杯「悔いなくやり切った」

 「カナダ女子W杯・決勝、日本2-5米国」(5日、バンクーバー)

 決勝を行い、日本代表は米国に2-5で大敗し、初優勝した11年ドイツ大会に続く2連覇はならなかった。男女を通じて、史上最多となるW杯6大会連続出場のMF澤穂希(36)=INAC神戸=は前半33分に交代で出場。日本代表を長くけん引したエースの最後のW杯は、準優勝で幕を閉じた。

 勝利に喜ぶ米国選手の横で審判員と握手を交わし、仲間を次々と抱き締めた。澤にとって最後となるW杯が終わった。「最後のW杯として臨んだ。みんなが持っている力は出し切れたと思う。本当に悔いなく、自分自身はやり切ったと思っている」。涙はなかった。

 1-4の前半33分に最初の交代選手として投入され、体を張って攻撃の芽を摘んだ。後半にはフリーキックに飛び込んでシュートを放つなど、全身全霊を込めたプレーで劣勢のチームを鼓舞し続けた。

 相手は米国。澤の人生を変えた国だ。1999年、不況の影響で当時所属していた日テレとのプロ契約が打ち切られ、初めて海外でのプレーに挑戦した。大柄な選手のパワーに苦戦しながらも、出足の鋭さや俊敏性など、自らの長所を生かすプレーに活路を見いだし「クイック・サワ」の異名を取った。

 米国挑戦の中で友情も生まれた。特に同じチームでプレーした米国代表のエースFWアビー・ワンバック(35)とは互いを認め合う関係で「また対戦できるのはすごく光栄。ぜひピッチで戦いたい」と語っていた。後半34分にワンバックがピッチに入ると、互いに手をパチンと合わせた。同37分には突破を止めようと後方からタックルを仕掛け、警告のイエローカードを受けた。W杯では二度とない対戦で、存分にぶつかり合った。

 最後のW杯は準優勝だった。来年には、銀メダルだったロンドン五輪の雪辱がかかる、リオデジャネイロ五輪のアジア予選も始まるが…。「悔しい気持ちがないと言ったらうそになるが、みんながよくここまで頑張って連れて来てくれた。本当にいいチームの中でできた」。6大会連続で出場したなでしこの象徴は、胸を張ってピッチを去った。

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