「Ｊ１、ＦＣ東京２－１川崎」（２日、味スタ）

　高く、しなやかに飛んだ。１－１の後半４２分、ＦＣ東京の日本代表ＦＷ武藤が同ＤＦ太田のＦＫに頭で合わせた。逆転ゴールとなった今季６得点目は、自身にとって多摩川クラシコ初得点。左胸のエンブレムに口づけしながらゴール裏へ駆け、揺りかごパフォーマンスで先月２９日に長男が誕生した同ＤＦ森重を祝福した。

　「ファーに行くのが決まり事だったが、相手も油断していると思いニアに走ったらドンピシャだった」。土壇場で相手の裏をかいた頭脳的な一撃だった。

　先月４日の甲府戦で痛めた腰には今も違和感が残る。試合後、いつも練習場に足を運んでくれる小さな女の子のサポーターに「感謝の気持ちを示したかった」とユニホームをプレゼント。上半身裸になった腰にはテーピングが施されていた。

　英プレミアリーグの強豪チェルシーから正式オファーが届くなど欧州からも注目を集めるが「特に焦ってはいない」と自然体のままだ。チームは今季初の逆転勝ちで２位に浮上。自身の得点でさらなる高みへ引き上げる。