“超高校級DF”大津・植田初戦で涙

 「高校サッカー選手権・1回戦、旭川実0(3PK2)0山形中央」(31日、ニッパ球)

 J1鹿島への加入が内定しているU‐19日本代表DF植田直通(3年)を擁する優勝候補の大津(熊本)は、PK戦2‐3で旭川実(北海道)に敗れた。

 敗れた直後にもかかわらず、植田は顔色を変えずに最後のキッカーになったMF豊川(3年)に歩み寄った。自分と同じJ1鹿島に入団する仲間を抱きかかえ、胸を張ってピッチを後にした。

 186センチの長身と、50メートルを6秒1で走るスピードを兼ね備えた超高校級DFとして大会前から注目を集めた。この試合でも空中戦はほぼ100%競り勝ち、最終ラインからロングキックで攻撃を組み立てた。

 1年生で出場した2大会前の選手権では自分のクリアミスから失点し、開幕戦で駒沢大高に1‐2で敗れ涙した。「今の自分はやれるという思いはある」と開会式で話した通りに、主将としてチームを率い、PK戦も1人目に登場し冷静に決めた。精神、技術の両面で成長した姿を見せることはできた。

 残り10分を切ったころからFWにポジションを変えたが、得点はならなかった。「情けなくてすいません。前(FW)に出たら点を取るしかない。情けないです」とほとんど取材に応じず、スタジアムを去った。ほろ苦い思い出を胸に、Jリーガーとして再出発する。

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