最後はやっぱり香川!フランス初撃破

 「国際親善試合、フランス0‐1日本」(12日、サンドニ)

 日本代表が、フランス代表に1‐0で競り勝った。6度目の対戦で初勝利を挙げ、W杯優勝国に敵地で勝つのも初めて。日本は後半43分、相手のCKからのクリアボールを拾ってカウンター攻撃。DF今野が約60メートルをドリブル、最後はDF長友のクロスボールをMF香川真司(23)=マンチェスター・ユナイテッド=が右足で押し込んだ。日本は16日、ポーランド・ウロツワフでブラジル代表と対戦する。

 2001年3月、同じスタジアムでフランスに0‐5で敗れてから11年。「サンドニの悲劇」が「歓喜」となっても、勝利の立役者は喜んでいるというふうではなかった。

 香川「僕は(マンUで)厳しい状況。自信を得たかった。いろんな葛藤がある。何かきっかけをつくりたかった。(この得点は)自信につながる。ただもっともっと、やらなきゃいけない」。今季マンUでレギュラーを獲得し、ここまで公式戦7戦で2得点を挙げているが、最近は低迷。直前の7日のリーグ戦では後半早々に途中交代した。自信回復のカギを求め、この欧州遠征に参加していた。

 前半は1軍半のフランスからボールを奪えなかった。それでも、0‐0。迎えた後半。「本当に結果を残したかったから、なるべくゴール前で待っておこうと思った。特に(長友)佑都が上がったときに、いいポジショニングを取ろうと意識した」。絶好機は終了間際。相手CKのあと、今野が猛烈な勢いで、ドリブルをしながら攻め上がってくるのが見えた。

 「今ちゃんがボールを持った瞬間、相手の戻りが遅かった。右サイドを佑都が走っていたから、うまくスペースを空けて、そこへまた佑都が走った。もう練習通り。素晴らしい速攻だった」

 長友がゴール前へ流し込んだ鋭いクロスボールを、背番号「10」は倒れ込みながら右足で合わせた。6万205人の大多数を占めた地元ファンは、試合終了の笛の音と同時に、大きなブーイングを鳴らした。

まだ笑えない… 取材ゾーンを去ろうとする香川に、最後に聞いてみた。結果が出たのに、なぜ笑顔がないのか。「1試合(でゴールを決めた)だけでは、いま自分には足りない。ブラジルに勝ったら、自信につながる。本当にきっかけを見つけて(マンチェスターに)帰りたい」。そう話すと、一瞬だけ口元を緩ませ、競技場をあとにした。

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