INAC神戸、44戦ぶり黒星で3冠夢散

 「なでしこL杯、日テレ3‐2INAC神戸」(9日、NACK)

 昨年のリーグ覇者・INAC神戸が、日テレに2‐3で敗れた。前半7分に相手FW永里亜紗乃(23)に先制を許すなど立ち上がりから苦しい展開。1‐1の前半30分には、FWゴーベルヤネズ(24)のゴールで勝ち越したが、その後に逆転を許した。常勝軍団にとっては10年10月11日のリーグ・日テレ戦以来となる公式戦44試合ぶりの黒星。今季はリーグ戦、カップ戦、全日本女子選手権の3冠を目標に掲げていたが、最初のタイトルでつまずいた。

 敗戦を告げるホイッスルがピッチに響くと、MF沢は淡々とした表情でストッキングを足首まで下げた。自身がINAC神戸に移籍してから、初めての敗戦。だが、悔しげな表情はない。悲願達成に歓喜の輪を作る日テレと、あまりに温度差のある光景だった。

 必然の敗戦だった。3失点すべてがミスだったこともあり、沢は「悔しいというか…。ショックはないですね。全部自分たちのミスですから。内容、支配率、シュート数もすべて、ウチらが相手より上回っていた」。FW川澄も「タイトルを取れなくて悔しい気持ちもあるけど、一つの結果として受け止めてます」。勝利への執着心を、前面に押し出した日テレと対照的な姿勢。沢は最後まで「向こうは、あたしらより勝ちたい気持ちが上だったんじゃないですか」と冷静だった。

 クラブとしては、10年10月11日のリーグ・日テレ戦から続いていた公式戦無敗記録が43でストップ。巨大戦力を抱え、常勝軍団となった一方で、星川監督は「勝ち続けると、どうしてもモチベーションを失うこともある。決勝の場でもフワッと入っていた」。さらには「(今後)自分が率いた方がいいのか、辞めた方がいいのか…。踏み込んだ問題になってくる」と、今季限りでの辞任も示唆した。

 潜在能力の高さは、紛れもなくNo.1の王者。気持ちを引き締めて、リーグ再開の一戦(15日・大阪高槻戦)に臨む。

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