「W杯・準決勝、ドイツ0-1スペイン」(7日、ダーバン)
08年欧州選手権王者のスペインが、1‐0で過去優勝3回のドイツを下し、初の決勝進出を決めた。華麗なパスワークで前半から圧倒したスペインは後半28分、左CKからDFカルレス・プジョル(32)=バルセロナ=が頭で決勝ゴールを決めた。スペインは1950年ブラジル大会での4位が過去最高。欧州同士による決勝は2大会連続8度目となり、11日(日本時間12日午前3時30分開始)にともに初優勝を懸けてオランダと対戦する。
◇ ◇
スペイン初の決勝進出を決めた瞬間、寡黙な闘将の周りに歓喜の輪が広がった。ピッチで戦ってきた選手、ベンチから飛び出した控え選手も、32歳の殊勲者を称えた。手荒い祝福の中心に、千金のゴールを決めたプジョルがいた。
貴重な1点は後半28分。ゴール前の密集を避けて蹴られたMFシャビの左CKに、プジョルは長髪もじゃもじゃカーリーヘアを振り乱して突進。身長178センチながら、競った192センチの味方DFピケ、189センチの相手MFケディラより頭一つ抜けだし、強烈なヘディングをたたき込んだ。
報道陣に指を交差して「×」を作り無言のプジョルを、仲間は称賛した。シャビアロンソは「豪快に決めてくれた」と感謝し、ビリャは「彼が決勝に連れて行ってくれた」と称えた。
所属のバルセロナでは下部組織出身の生え抜き。04年から主将を務める“バルサの象徴”は精神的支柱だ。代表でも役割は同じ。闘志むき出しの守備で、得点王を狙うFWクローゼに仕事をさせず、MFシュバインシュタイガーのシュートも至近距離ではね返した。
戦うたびに評価を上げたドイツを、持ち前のパスサッカーでほんろうした。GKカシリャスは「終始、試合をコントロールできた。決勝進出にふさわしい戦いだった」と完封劇を振り返った。
W杯のたびに高い下馬評を受けながら4強が最高だった。バルセロナが実践するパスサッカーに活路を見いだし、08年欧州選手権で優勝。10年間も代表であり続けるプジョルは低迷期を知る数少ない存在。そんなベテランの決勝弾で黄金時代の幕開けに王手をかけた。
デルボスケ監督は「選手は自分たちの特長に自信を持ち、最大限に表現できる。スペインのサッカーが時代を謳(おう)歌している」と胸を張った。夢のW杯制覇まであと1つ。完成の域にあるパスサッカーとともに、スペインが真の無敵艦隊になる。















