久保隼散った…壮絶TKOで初防衛失敗 7、8回にダウン喫し9回に力尽きる

 「ボクシング・WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(3日、島津アリーナ京都)

 王者の久保隼(27)=真正=は挑戦者で同級2位のダニエル・ローマン(27)=米国=に9回1分21秒TKOで敗れ、初防衛に失敗した。序盤から主導権を握られ、7、8回にダウンを喫し、9回途中に連打を浴びたところでレフェリーが試合を止めた。久保はプロ初黒星。日本のジムに所属する男子の世界王者は11人となった。

 壮絶に散った。地元京都で初防衛に挑んだ久保が無念の陥落。4月の初戴冠から5カ月でベルトを失った。

 身長、リーチで10センチ上回ったが、力強い右のリードが出ず、圧力に距離をつぶされた。中盤以降、陣営は接近戦からの左ボディーで活路を見い出そうとしたが、6回終了ごろから「両足がつったような感じ」(山下会長)になり、生命線の足が止まった。本調子でないことは明らかだった。

 7、8回に2度のダウンから立ち上がり意地こそ見せたが、9回に連打を浴びて体が大きく傾いたところでレフェリーが割って入った。13戦目のプロ初黒星。山下会長に「すみません」と一言を発し、控室では涙に暮れた。

 スーパーバンタム級は久保も含め過去9人の国内ジム所属世界王者が存在したものの、防衛に成功したのは西岡利晃のみ(長谷川穂積は引退、小国以載は13日に初防衛戦)という鬼門だった。山下会長は「気持ちのダメージがある。ケアしてもう1回つくり直したい」と再起へ前向きだった。

 負けることへの不安について「そう思えるのも現役の間だけ。それすらも楽しめるようになりたい」と久保は語っていた。アマ時代には何度も苦渋を味わった。背中を追った長谷川穂積氏も5度の敗戦からはい上がっている。再び立ち上がる日は、必ずやって来る。

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