京口やった!日本最速世界王者 “尚弥超え”デビューから1年3カ月

 「ボクシング・IBF世界ミニマム級タイトルマッチ」(23日、大田区総合体育館)

 IBF世界ミニマム級9位・京口紘人(23)=ワタナベ=が王者ホセ・アルグメド(メキシコ)を3-0の判定で破り、井上尚弥(1年6カ月4日)を抜いて日本選手で最速となるデビューから1年3カ月で世界王座を獲得した。日本ジム所属の男子世界王者は史上最多に並ぶ12人となった。

 “ダイナマイト・ボーイ”の異名を持つ京口が一気に世界王座へ駆け上がった。16年4月17日のデビューから1年3カ月6日での戴冠は日本最短記録。「僅差と思っていた。『ニュー・チャンピオン』と聞いた時は感じたことない気持ちだった」と喜びに浸った。

 序盤に相手の頭が直撃し右頬が腫れ上がり、中盤には右拳を痛めたが、窮地に陥ったことで“導火線”に火が付いた。臆せず打ち合いを挑み、9回には「フェイント」(京口)で放った左フックで相手の顎を跳ね上げ、返しの右で決定的なダウンを奪った。

 中学1年で空手からボクシングに転向。大阪帝拳ジムで元WBC世界バンタム級王者の辰吉丈一郎から基本を教わった。必殺技と自負する左ボディーは辰吉直伝。8戦目での世界奪取は辰吉と並ぶ快挙となるが「取りあえずチャンピオンになったと伝えたい。でも『満足するな』と言われると思う」と笑った。

 世界戦を前にした12日には、3歳上のプロボクサー、兄・竜人が飲酒運転の疑いで逮捕された。母・かおりさんはその日のうちに渡辺会長に謝罪の電話を入れた。

 会長は京口に連絡し「気にするなとは言えないが、気持ちをしっかり持て」と励ました。試合後の京口は「会ってお説教してきます。他人じゃない、兄なんで。僕自身も申し訳ない気持ちでいっぱい」と、兄を思いやりつつ頭を下げた。

 初世界戦を前に、体は悲鳴を上げていた。「眠れない時がある」と明かし、21日にはストレスから全身をじんましんが襲っていた。見えない重圧から解き放たれた新王者は「誰からも応援されるボクサーになりたい」と笑顔を爆発させた。

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