“輸入ボクサー”が東洋太平洋バンタム級王者 陣営、穂積へ挑戦直訴も拒否

王座を奪取し長谷川穂積(右)から祝福されるマーク・ジョン・ヤップ
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 「ボクシング・東洋太平洋4大タイトルマッチ」(11日、神戸市立中央体育館)

 東洋太平洋バンタム級王座戦は同1位の挑戦者・マーク・ジョン・ヤップ(27)=六島=が王者・山本隆寛(25)を相手に3度のダウンを奪い、5回2分19秒TKOで勝利。フィリピンからの“輸入ボクサー”がタイトル初挑戦し、うれしい新王座を手にした。戦績はヤップが25勝(11KO)11敗、山本は3度目防衛に失敗し18勝(15KO)5敗。

 4大タイトル戦の中、屈指の好カードの呼び声通り、ハイレベルの攻防だった。1回から素早い左ジャブでリズムをつかんだのはヤップ。しかしパンチ力で上回る山本も強烈なボディーで対抗した。

 4回終了の途中採点は1者がドロー、2者が2ポイント差でヤップを支持。すると5回、一気に試合は動いた。攻勢に出た山本に対し後退したヤップ。一瞬のチャンスを逃さず鮮やかな右カウンターを顔面に打ち込んだ。

 崩れ落ちるのを何とかこらえた山本は前のめりに倒れ、ダウン。立ち上がった相手にヤップは襲いかかり、連打。2度目のダウン後、猛ラッシュを仕掛けると、レフェリーが割って入った。

 異国でつかんだ夢のベルト。勝利コールに新王者はリングをたたいて喜んだ。「すごい。私はリラックスしていた。もっとレベルアップしてやるだけ」と、たどたどしい日本語で声援に応えた。

 リングでは枝川孝会長が「ネクストは長谷川選手、世界タイトル挑戦お願いします」とリングサイドの3階級王者・長谷川穂積(35)=真正=に訴えた。

 もともとは長谷川のスパーリング相手だったヤップを祝福しに長谷川は控え室を訪れ、祝福。「ベリー強い。でも試合はやらないよ」とあっさり拒否した。

 会長は勝利ボーナス100万円をプレゼントすることを明言。さらに山本はIBF世界ランクが4位に入っており、ヤップもこれで上位の世界ランクが手に入ることは濃厚だ。

 14年に来日後、高い攻撃センスに日本流の技術を学び成長。強敵相手のマッチメークを次々と突破し、6連勝に伸ばした。WBCバンタム級王者・山中慎介(帝拳)を筆頭に、大森将平(ウォズ)、井上拓真(大橋)ら国内強豪がひしめく階級。“輸入ボクサー”が世界戦線に殴り込みをかける。

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