荒川仁人、3度ダウン奪取で初防衛 日本ライト級
「ボクシング・日本ライト級タイトルマッチ」(24日、後楽園ホール)
荒川仁人(34)=ワタナベ=が挑戦者で同級4位の塚田祐介(27)=吉祥寺鉄拳8=を6回2分14秒KOで下し、初防衛に成功した。
長身の塚田のジャブをたくみに避けながら応戦。2回に左フックで倒した。偶然のバッティングで右目の上が腫れ、3回から出血したものの、打ち合いの中でカウンターの左フックを浴びせ、塚田を引っ繰り返し2度目のダウンゲット。「あのフックは練習していたんです。ダッキングしながら打っていくパンチ」という武器だった。だが、塚田もタフだった。4回にはワンツー、右ストレートの逆襲に遭った。
上下を打ち分け、パンチの正確さに勝る荒川は、まったく動じることなく試合を運ぶ。6回、左フックでぐらつかせると、ボディーへの左ストレートで3度目のダウンを奪った。カウントの途中で、相手陣営がタオルが投入された。
試合後の荒川はバッティングで腫れ上がった顔で会見に応じた。「決め方、まとめ方で、ダウンを奪った後に振りが大きくなっちゃう。細かいパンチを打てとか、セコンドの指示も言われてから実行するのに時間がかかるのも反省」と振り返った。
見た目には打ち合いだったが「浅いジャブとアッパーを一発もらった。右目も左目もバッティングですから」と効いたパンチはなかったという。「ただ、自分の打たれ強さを過信しているところは改善しないといけない。勝てるかもしれないけど、ダメージを残してしまう。打ち合う場面は必要ですけど、要所とか勝てる場面とかにしないと身が持たない」ともう一つ反省点を挙げた。
「ボクシングを続けるためには勝ち続けなければいけない」と気力はまったく衰えるところを見せない。荒川仁人の挑戦はまだまだ続く。