【畑山評論】日本一の証明が山中の仕事

 「WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(10日、両国国技館)

 WBC世界バンタム級王者の山中慎介(31)=帝拳=が挑戦者アルベルト・ゲバラ(23)=メキシコ=を4戦連続KOとなる9回25秒TKOで下し、5度目の防衛に成功した。山中は足を使う挑戦者を攻めあぐねたが、中盤に捕まえて8回に2度のダウン、9回にも左でダウンを奪い、レフェリーストップに持ち込んだ。

  ◇  ◇

 【畑山隆則の目】山中選手が9ラウンドにKO勝ちしたけど、勝負は8ラウンドの2度のダウンで決していたね。相手は序盤から勝負をかけてきていたが、最後はガス欠気味になっていた。それだけ山中選手のプレッシャーがきつかったという証拠。完全に戦意を喪失してしまった。

 ただ、やりづらい相手だったとしても、良くも悪くもチャンピオンの欠点が出た。山中選手をターゲットにしているチャレンジャーには、いい参考になったんじゃないかな。欠点というか課題というか、続けてKOで勝っているので、どうしても一発に頼り過ぎるきらいがある。その一発の怖さがあるから、挑戦者が動き回ったのも事実だけど、もっとコンビネーションが出てもよかったと思う。

 とはいえ、4連続KO防衛は評価できるし、この日の会場のお客さんの入りは、山中選手の実力に知名度が少し追いついてきたのかな。本人は海外でのビッグマッチを希望していると聞いたが、バンタム級には日本人の世界王者が3人もいる。真の日本一は誰なのか、それを証明するのが山中選手の仕事でしょ。海外挑戦はそれからでも遅くないと思うよ。

 最後に16日(土)午後10時30分からNHK総合「ヒーローたちの名勝負」で、ボクと坂本博之さんが戦ったライト級世界戦(00年10月11日)のドキュメンタリーが放送されます。ぜひご覧ください。(元WBA世界スーパーフェザー、ライト級王者)

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