【野球】ウグイス嬢歴42年目!巨人・渡辺三保さん グラウンド盛り上げるプロの極意は

 巨人の春季キャンプを沸かせている球団職員がいる。場内放送係を務める渡辺三保さん(61)だ。ウグイス嬢歴42年目で、昭和、平成、令和の時代にわたって担当してきた。かつて現役時代の王貞治(現ソフトバンク会長)をアナウンスしたこともある。巨人を知り尽くす大ベテランが、グラウンドを盛り上げるプロの極意に迫る。

 打撃練習をウグイス嬢が盛り上げている。原監督を「日本一奪回に向けて指揮を執りますのは永遠の若大将、原辰徳監督です」と場内アナウンスで紹介。指揮官が帽子を取ってスタンドに手を振ると、大きな拍手が起こった。

 選手に対しても同様だ。小林がケージに入るや「背番号22の小林選手。今年も独身でキャンプインです。どうぞ、応援よろしくお願いします」と紹介。岡本の時は「3割30本30盗塁は望みません。3割30本100打点3盗塁のトリプルスリーを狙ってください」とアナウンス。スタンドは笑いに包まれる。

 巨人の歴史を知り尽くした女性が絶妙な言い回しで選手紹介をしている。場内放送を担当するのは渡辺三保さん。新聞の求人広告を見て応募し、1979年に巨人入り。現職に就き、今年で42シーズン目を迎える。

 80年は王貞治の現役最後の年で「4番、ファースト、王」と後楽園球場でアナウンスした経験もある。「その年に30本もホームランを打っていらしたので、引退するとは思っていませんでした」と当時を振り返る。大舞台で経験を重ねてきたが「何年やっていても、毎年、第一声を発する時は緊張します」と言う。

 キャンプで練習中の選手紹介アナウンスは今春で3年目。より選手を知ってもらおうと年々、準備は丁寧になっている。若手や育成選手のことはマネジャーに聞き取りし、各選手の特長を把握する。「選手への拍手、応援とか、一緒に笑ったりして一体感を持ってもらえたら」。周到な準備をした上で選手紹介に臨んでいる。

 仕事柄、風邪をひくことは許されないため、体調を万全に整える努力は欠かさない。今キャンプ中も、アナウンスを担当する前夜はマスクをして就寝。喉の調子が良くない時は、ほぼ原液のうがい薬でケアし、本番に備えている。ウグイス嬢のレジェンドは、巨人の伝統を受け継ぐ選手たちをより深く知ってもらおうと美声を響かせている。(デイリースポーツ・水足丈夫)

 ◆渡辺 三保(わたなべ・みほ)1958年10月1日生まれ、61歳。東京都出身。79年入社時は庶務部(現総務人事部)に所属。入社から04年までは1、2軍のアナウンスを務め、05年からは1軍専属となる。18年に定年退職後、19年から契約で業務に従事する。

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