【野球】堂林&磯村と中京大中京トリオで奮闘中の“カープ女子” 球団職員の角谷貴恵さん

中京大中京トリオがそろい踏み(左から)磯村、角谷さん、堂林=マツダスタジアム
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 広島東洋カープの球団職員として働く角谷貴恵さん(26)。高校時代は中京大中京で野球部のマネジャーを務めていた。当時チームには1年先輩に堂林翔太内野手(28)、同期に磯村嘉孝捕手(26)が在籍。09年夏の甲子園では全国優勝の歓喜も味わった3人は運命の糸に導かれるように、カープに入り、それぞれのポジションで奮闘している。

 「毎日、野球に携わる仕事ができて本当に楽しいです。これまで野球を通じて多くの方にお世話になってきたので、少しでも私が頑張っている姿を知ってもらって、恩返しができればという思いで取り組んでいます」

 現在、角谷さんは球団のライセンス部チームリーダーを務め、グッズ商品の商標に関する業務全般を担当している。また、広報部も兼務しており、球団の広報資料やホームページを作成するなど多忙な日々を送っている。

 マツダでの試合では場内アナウンス(ウグイス嬢)を務めることもあり、角谷さんが担当した5月12日のDeNA戦ではスタメン出場した磯村が3安打3打点の大活躍。お立ち台に上がった同級生の姿に「本当にうれしかった。すごいなって思って見ていました」と胸を熱くした。

 愛知県碧南市出身で、中学までは陸上に打ち込んだが、父と兄が高校球児だったこともあって、中京大中京に進学すると野球部のマネジャーに転身。2年夏の全国優勝はスタンドから見守り、3年春と夏の甲子園では記録員としてベンチ入り。センバツではプラカードを持って選手と一緒に入場行進も行った。

 卒業後は中京大に進み、野球部のマネジャーとして奮闘。3年秋はリーグ優勝も経験したが、明治神宮大会出場を懸けた東海地区の3リーグによる代表決定戦で中部学院大に敗れ、神宮切符は逃した。ちなみにその試合で活躍したのが野間だった。「本人には言ってませんけど、彼のせいですごく悔しい思いをしました」と笑う。

 就活では野球に携わる仕事を志望し、スポーツ用品のメーカーやプロ球団などに的を絞った。堂林に相談すると、カープとの橋渡しをしてくれた。高校時代から面識のあった松本奉文スカウトも力になってくれた。学生時代のマネジャーとしての取り組みも高く評価され、カープから内定をもらい、2015年春に入社した。

 「堂林さんは高校時代から本当に優しい人で、私たちマネジャーのこともいつも気遣ってくれました。磯村は仲間と一緒の時ははっちゃけたりするタイプでしたけど、野球への取り組みは真面目で、キャプテンシーがすごかった。とても頼りになる主将でした」

 今季、カープのリーグ4連覇はならなかったが、磯村は強打をアピールし、1軍出場を大幅に増やした。不振で苦しんだ堂林も、シーズン終盤でサヨナラ打を放つなどチームの勝利に貢献した。

 「2人がいなかったら今、こうしてカープで働いている自分はなかったと思います。だから、堂林さんと磯村にはだれよりも頑張ってほしい。あの2人しか応援していないといっても過言ではないくらいです(笑)。2人の三塁手、捕手のライバルは私にとってもライバルなんです」

 確かな仕事ぶりで上司から信頼され、リーダーシップを発揮して後輩社員からも慕われている角谷さん。今では堂林、磯村とともにカープに欠かせない“戦力”となっている。(デイリースポーツ・工藤直樹)

▼角谷貴恵(すみや・きえ)1992年10月9日生まれ、愛知県碧南市出身。中京大中京高、中京大で野球部のマネジャーを務める。15年にカープに入社。現在はライセンス部チームリーダー兼広報部広報課兼地域担当室に籍を置く。

▼堂林翔太(どうばやし・しょうた)1991年8月17日生まれ。内野手。09年度ドラフト2位でカープ入団。

▼磯村嘉孝(いそむら・よしたか)1992年11月1日生まれ。捕手。10年度ドラフト5位でカープ入団。

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