【芸能】ジャニー氏 元SMAP独立報道に明言避けた理由

 国民的グループ・SMAPの解散から、まもなく1カ月が経つ。ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長(85)は今月13日、8カ月ぶりに沈黙を破りSMAP解散の悲しみを口にした一方、一部で報じられたメンバーの独立報道には否定も肯定もしなかった。昨年5月、解散は「ありえない」と言い切った同氏が独立に関して明言を避けた理由を探る。

 ジャニー氏は13日に都内で行われた舞台の取材現場にひょっこり現れた。8カ月前からやや痩せた表情を浮かべながら、独立報道に「みんな、それぞれの気持ちがある。だけど、みんな、出て行くって言うことを前提に話はしてないと思いますよ。そんな野暮っちい人間じゃないと思う」と回答した。

 「みんな、それぞれの気持ちがある」という発言は“本人に任せる”という意思の尊重が感じ取れる。今月31日に元メンバーの香取慎吾(39)が40歳の誕生日を迎え、全員40代となる大人の思いは酌んで上げたいという“親心”が伺える。

 この発言だけを切り取ると容認しているようにも聞こえるが、続けてジャニー氏は「出て行くって言うことを前提に話はしてないと思いますよ」とメンバーの人間性を推し量り、今後もジャニーズで活躍を続けることに信頼も寄せている。

 独立報道に関して明言を避けたのは、結果論であったとしても、2度も“嘘”を重ねるワケにはいかないという思いがあったのだろう。ジャニー氏は「(解散は)ありえないと」発言をした昨年5月から、メンバーと2回、個々で2回と今後の活動について協議した。デビュー25周年コンサートツアーの演出を自ら名乗り出るなど記念イヤーを盛り上げようと打診したものの、8月に解散が発表された。

 結成から28年。生みの親として“我が子”のように見守ってきたSMAPを説得しきれなかった前例が尾を引く。会社のトップである社長が解散を否定しながらも止めることは出来なかった。自身の発言と異なる結果になったことに「お謝りしたい」と謝罪する結果となってしまった。

 メンバー5人と事務所は9月に契約更新を迎え、6月までに意思表示がなければ自動更新する。残留を疑ってはいないが、現時点で面談をしているわけでもない。独立は「ありえない」と言い切ってしまった場合、万が一、昨年と同様の事態が起こってしまえば、意図しない形で、再び“嘘”をついてしまったことになる。自身の発言は影響が大きいだけに、今回はメンバーの今後に関わる発言には慎重を期したようだ。

 解散後のソロ活動も充実させているメンバーに安心するジャニー氏は、国民に愛されたSMAPのような次世代グループ誕生に目を向けている。今月24日に自身が演出した舞台「ジャニーズ・オールスターズ・アイランド」が千秋楽を迎えた。ジャニーズJr.ら出演者約80人を主役と位置づけた今作に手応えを見せ、「再演したい」と将来有望な若手の成長に目を見張る。

 社長は同作公演中に「僕も今、子供たち(ジャニーズJr.ら)で新しいこと(作品)をやっていますから、それもご注目いただいて。これからの芸能界はますますよくなっていく」と芸能界全体を盛り上げる可能性を秘めた若者に期待。ジャニー氏の目にはSMAPに続く、新たな若きスターの誕生が見えているのかもしれない。(デイリースポーツ・上野明彦)

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