【スポーツ】フィギュア白岩優奈、ケガから復活 勇気の2位

 フィギュアスケートの全日本ジュニア選手権が11月20日まで札幌で行われた。優勝した坂本花織(16)=神戸ク、3位になった昨季の世界ジュニア女王、本田真凜(15)=関大中、今季女子史上7人目のトリプルアクセルに成功した紀平梨花(14)=関大KFSC=ら女子ジュニアの躍進には目を見張るが、忘れてはならないのはこの試合で2位に入った白岩優奈(14)=関大KFSC=だ。

 フリーは坂本、本田をしのいで1位。安定感のあるジャンプと愛らしい演技で観客を魅了した。昨季に続く総合2位だったが「去年とは違ううれしさがある」と、14歳は控えめに喜びを表現した。

 今年4月上旬に左脛骨(けいこつ)を骨折。約2カ月も氷から離れ、リハビリを余儀なくされた。6月に氷上に戻り、7月にジャンプ練習を再開。同月上旬のアイスショーではまだジャンプが跳べない状態だった。

 練習再開当初は「1日2本くらいしかいいジャンプが跳べなかった。跳ぶのが怖かった」と振り返る。しかし、同月後半には3回転-3回転に成功。リハビリ中も体幹などの地道なトレーニングを怠らなかったことが、早期回復を促したのだろう。

 ショートプログラム(SP)では3回転-3回転の連続ジャンプで回転不足をとられて3位。それでも、フリー前には「今は左右の筋肉の差があるが、確率は上がってきた」と話し、ジャンプへの恐怖心も「逃げると悔しい結果になる。こけてもいいからたくさんトライしようと思う」と前向きだった。その勇気が結実したフリーのノーミスだ。

 本田、紀平と同じ浜田美栄コーチの門下生。内に秘めた芯の強さはチームの先輩、宮原知子(関大)を思わせる。白岩のフリーに、次に滑走を控えているにもかかわらず飛び上がって喜んだのは本田。ミスがあった自身の結果を悔やみながら「一緒に練習してきたからすごくうれしかった」とチームメートの復活に目を潤ませた。

 真っ向勝負しながらも、互いに支え合う次世代のエース候補たち。まだあどけない乙女たちに、切磋琢磨(せっさたくま)という言葉は少し固すぎる。ただ、その美しい戦いは、さらにし烈になっている。(デイリースポーツ・船曳陽子)

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