【ライフ】久留米の「いちご姫コンテスト」31日に開催 人気女優を輩出した美少女コンテスト今年も

いちご姫たちを集めた「いちご姫ユニット」
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 女優の松雪泰子、有坂来瞳、田中麗奈を輩出した「いちご姫コンテスト」が31日に福岡県久留米市で開催される。同市のタウン誌「月刊くるめ」(天野周一編集長)が主催する女子高生対象の美少女コンテストで、1987年以来、多くの女優やタレント、モデルが誕生。東京の芸能事務所も一目置いている。毎年会場には高校生やファンら2千人近くが集まり地元では夏の風物詩として定着。今年は記念すべき30回目とあり、誰がいちご姫の頂点(グランプリ)を獲得するのか、早くもボルテージが高まっている。

 いちご姫コンテストとは、久留米市を中心とした筑後地区、近隣の大分県日田市と佐賀県鳥栖市の高校計46校を対象に、各校2人の女子高生を「いちご姫」として選出。計92人が参加して人気ナンバーワンを決める年1回開催のコンテスト。毎年、月刊くるめ2月号で、その年に選ばれた各校のいちご姫を紹介。その後、半年間かけて、インターネットやはがきなどで読者投票を行い、夏休みにグランプリが選ばれる。

 総合プロデューサーの天野周一編集長(64)は、同コンテストを企画した経緯について「久留米は福岡市中心部から特急で約30分の所にあるベッドタウンなのですが、遊びに行く、あるいは大学進学や就職となると、ほとんどが福岡市中心部などに出ていってしまいます。そこで、地元の高校生たちが地元で盛り上がれる美少女コンテストを作ってみてはと思いついたのが始まりです」と振り返った。「高校生といえば15歳から。じゃあ『いちご(15)』でいこうと。実はそれで『いちご姫』と命名したんですよ」と笑った。

 コンテストの最大の特徴は、参加者の自薦、他薦を認めていないこと。天野編集長は「毎年11月から約2カ月間かけ、うちの編集部員が手分けして各校門に足を運び、有望な子がいないか取材しています。編集部員は8人で、1人6校ほどを担当します。直接話しかけたり、聞き込みをしたりして、1校につき3~4人の候補をリストアップして最終的に1校2人の『いちご姫』を選びます」と独自取材で選ぶことを述べた。

 基準について「ただ単に外見が可愛い、きれいというだけではなく、真面目さとか、どんな性格かなども取材します」という。30年間、こうした独自の選出方法を続けてきたのがこだわりだ。

 芸能界を夢見る地元の女子高生にとって、いちご姫に選ばれることは憧れだ。過去のいちご姫のなかには、松雪泰子(1991年)、有坂来瞳(1998年)、田中麗奈(1999年)らがいる。ローカルアイドル、モデル、テレビのリポーターなどとして活躍している人も多く、コンテストは回を重ねるごとに「芸能界の登竜門」と言われるようになった。

 「タレントの原石」たちが毎年90人以上も掲載されるとあって、「月刊くるめ」を定期購読している福岡、東京の芸能事務所も少なくない。天野編集長は「(松雪、有坂や田中などは)高校生のころ、街を歩いていたら気安く声をかけられないほど、独特のオーラがあった」と振り返る。「昔も今も、全国的にブレークするような子は、唯一無二のオリジナルな雰囲気を持っている」とも。

 30年の歴史を持ち、同コンテストが地域の若者文化の一つとして根付いたいま、天野編集長は「これからも地域の宝物として、ずっと守り育てていきたい」とほほえむ。

 2014年には、歌やダンスに興味を持ついちご姫たちを集めた「いちご姫ユニット」(現在9人)が結成され、毎週末、地元でライブを開催。「当初、ライブの観客はたった7人でしたが、最近では毎回、会場が満員になるほど」と天野編集長。いちご姫たちが集結した豪華なユニットだけに、こちらも注目を集めている。今月30日には前夜祭を開催し、「いちご姫ユニット」や姉妹グループが新曲を披露。翌31日のコンテストでは、計91人のいちご姫たちがグランプリを目指す。当日は同コンテストのイメージソングを歌う吉沢愛のライブやお笑い芸人の永野も出演。イケメン俳優のシークレットゲストも登場予定という。(デイリースポーツ特約記者 西松宏)

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