【ライフ】スポーツ取材で人気のノート
選手の周りを囲んで、または引き上げる選手と一緒に歩きながらペンを走らせる-。スポーツ取材の現場では、よく見かける光景です。今回は、記者が取材で使っているノート、さらに一部で人気が高い無印良品のノートに着目したいと思います。
もちろん記者がどんなノートを使っても自由ですが経験上、取材先で見かけるものは大体以下の3種類に分類されると思います。
1・A7サイズ(74×105ミリ)など、手のひらに収まるノート。スーツなどフォーマルな姿で取材する記者に多いです。独自にメモ帳を製作する社もあります。
2・A5サイズ(148×210)のやや小ぶりなノート。女性記者が使っている姿をよく見かけます。
3・B5サイズ(182×257ミリ)の、いわゆる大学ノート。社名入りのオリジナルノートを製作する社があります。机がある会見では学校の授業と同じように広げ、囲み取材や歩きながらメモをとる場合は360度開いて使われます。ノートを半分に折って使われる姿もよく見かけました。
B5サイズで以前から気になっていたのは、無印良品の再生紙ノートを結構な頻度で見かけたことでした。無印良品のノートはたくさんの種類がありますが、取材先で見かけるのは税込105円、再生紙、40枚のもの。コンビニでは無印良品を扱っているファミリーマートで購入できます。
なぜ無印良品の廉価な再生紙ノートなのか。無印良品よりも見かける頻度が高い、いわばオーソドックスに使われているKOKUYOのキャンパスノートと比較してみると、その理由が浮かび上がってきました。
【値段】キャンパスは税抜150円。無印は税込105円。
【製法】キャンパスは無線。無印は糸綴り。
【紙質】キャンパスは中性紙。無印は再生紙。
【表紙】無印は無地で左右どちらからも使える。
【レイアウト】キャンパスは上部に日付記入用の余白に太めの罫線。無印は少し広めの余白、罫線は中罫と変わりなし。
実際に無印ノートを使用している記者に聞くと「手荒に扱うので」「罫線の縛りがないので」などの理由が返ってきました。
無線よりも糸綴りの方が丈夫であり、罫線を気にする者にとっても使いやすい。さらにキャンパスと同じようにコンビニで購入しやすく、値段も安い。オーソドックスであるキャンパスと細かい部分で正反対であり、さらに気軽に入手できることが、一部の人気につながっているように感じました。
すでに一大ブランドに育っているものがあるジャンルの中では、細かい部分が正反対のものであったり、あえて高級志向のものを作る方が固定人気を得やすい-。よく耳にする格言は、スポーツ記者が使うノートにも当てはまるようです。(デイリースポーツ・山本鋼平)