【野球】虎ハーフ投手 支配下勝ち取る

 若きハーフが昨今の日本スポーツ界を盛り上げている。プロ野球楽天のドラフト1位・オコエ瑠偉外野手(18)=関東第一、陸上の世界ユース男子短距離2冠のサニブラウン・ハキーム(16)=城西高、女子テニス・大坂なおみ(18)などなど…。名前を挙げていけば、枚挙にいとまがない。

 まさに世の中を席巻しているが、伝統球団・阪神にもハーフの選手が入る。その名も佐村トラヴィス幹久(22)。沖縄県宜野湾市出身で、アメリカ人の父と日本人の母を持つ右投手だ。

 浦添商から2011年度のドラフトでDeNAから6位指名を受け入団。しかし、1試合も1軍で登板できないまま、14年に戦力外通告を受けた。絶望のふちに立たされたが、捨てる神あれば拾う神あり。その年のオフ、阪神編成部の目にとまり、育成枠で入団した。

 15年6月には約3カ月間、BCリーグ福井で武者修行し、同年10月にチームに再合流した。

 そのトラヴィスが持つ最大の武器は最速151キロの直球だ。191センチの長身(しかも、まだ伸び続けているという)から投げ下ろされるボールは威力抜群。打者の脅威になること間違いない。

 さらには甘いマスクの持ち主。端正な顔立ちとキュートな笑顔は一度見たら、女性ファンはとりこになるだろう。

 名前も最高だ。“トラ”ヴィス。猛虎に入団するのは生まれたときからの運命だったのかもしれない。高身長、イケメン、名前もいい…。結果を出せば、人気が出ない理由を探す方が難しい。

 今季の目標は「支配下(復帰)ですね」と前を向く。かなえるための課題は制球だ。どうしても高めに浮いてしまう球が目立ってしまう。改善に向けて「下半身を意識しています。シャドーにコツコツと取り組んでいます」と話す。

 今季からはグラブにトラマークを刻んだ。理由は「“トラ”ヴィスなんで」。今月初旬からは高知・安芸の2軍キャンプで汗を流している。「キレのいい真っすぐを投げたいですね」。夢が実現することを信じ、今年1年、トラヴィスの背中を全力で追いかけていきたい。(デイリースポーツ・山本祐大)

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