【サッカー】“ポスト海堀”新GK争い

 サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は1月18日から、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選(2月29日~3月9日、大阪)へ向け、1次合宿(石垣島)で始動した。この合宿には海外組4人を含む26人が参加。序盤から練習試合や紅白戦を行うなど、実戦を意識したメニューが続いた。

 国内組のみで行われる2次合宿(2月13日~18日、沖縄)のメンバーは5日に発表される予定だが、今後の選考ポイントの一つに“GK争い”が挙げられる。

 昨年準優勝したカナダW杯。中心としてゴールを守ったのは、引退した海堀あゆみさん(29)だった。佐々木監督が実は今回の合宿に招集していたという事実が、彼女の存在の大きさを物語っている。

 合宿では“海堀ロス”のあとを3選手が争った。187センチの山根恵里奈(25)=千葉、最年長の福元美穂(32)=岡山湯郷、新顔の山下杏也加(20)=日テレ=だ。

 まずは、佐々木監督の秘蔵っ子とも言われる山根。GK養成を目指す「スーパー少女プロジェクト」で、指揮官が16歳の山根を発掘したのは06年のことだった。手塩に掛けて育て上げ、W杯ではゴールを託した試合もあったが、最後は海堀に軍配。悔しさをかみしめている。

 187センチという長身は魅力だが、基礎的な技術と体力が課題。合宿中は、ひとり別メニューで息を切らしながらランニングを行う姿も見られた。指揮官は「スタミナが優先。ベースを整えたい」と説明。本人も「集中力を90分保つための基礎だと思う」と自覚する。期待は高いだけに、その取り組みをパフォーマンスにつなげられるかが課題だ。

 福元は、誰よりも大きな声で味方の守備陣に指示を出す姿が印象的だった。島の高校生と行った練習試合では、高校生チームに入ったときも構わず「(背番号)4番出るな!」「右!」など、叫び続けていた。記者陣はなでしこチームのGK寄りから試合を見ていたが、福元の声の方がはるかに大きく聞こえた。W杯から帰国した直後には「絶対的なGKになりたい」と宣言していただけに、その真価が問われる。

 山下は、高2でGKに転向するまでフィールドプレーヤーだっただけに、足元の器用さが特徴の一つ。「蹴ってつなぐサッカーができれば」と自信を持っている。身長は海堀さんと同じ170センチ。ポジショニングなども海堀さんの動きを参考にしていたという20歳は“海堀2世”を目指している。

 五輪の登録人数は18人(アジア最終予選は20人、前回のW杯は23人)。過去3大会、GKの登録は2人にとどめてきただけに、GKはプレーの安定感に加え、けがをしない“コンディション調整の安定感”も求められる。間もなく2次合宿が、22日からは直前合宿が行われるだけに、競争の加速は必至。新・守護神争いの行方に注目だ。(デイリースポーツ・國島紗希)

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